ユンカーが欧州ではなく日本の浦和レッズにきた理由「僕にとってパーフェクトな機会でした」
浦和レッズ キャスパー・ユンカー インタビュー 前編
Jリーグは現在、じつに多くの国から、さまざまな外国籍選手がやってきてプレーするようになった。彼らはなぜ日本でのプレーを選んだのか。日本でのサッカーや、生活をどう感じているのか? 今回は今季途中から浦和レッズに加入し活躍している、キャスパー・ユンカーに話を聞いた。
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来日して半年になるユンカー。日本でのプレー、生活について語ったこの記事に関連する写真を見る 今春、Jリーグのシーズンが3分の1ほど過ぎた頃、浦和レッズに北欧から新戦力がやってきた。デンマークの世代別代表経験を持つストライカー、キャスパー・ユンカーだ。
スタイリッシュなルックスの27歳はデビュー戦でいきなり得点すると、そこからリーグ4試合でネットを揺らし(計5得点)、5月のリーグ月間MVPに選出された。
さらに6月の湘南ベルマーレ戦では、逆襲からスピードに乗って相手守備陣の裏に抜け出し、最高速のまま美しいループシュートを決めて、これが月間ベストゴールに選ばれている。プレーのクオリティーもさることながら、その適応能力は見事だ。
ただし本人によると、彼のキャリアは見知らぬ環境へ飛び込み、困難な状況に挑戦することによって、好転していったという。
確かに過去の成績を見ると、母国デンマークではパッとしない数字が並んでいるが、2019年の夏にノルウェーに移ってから一気に得点感覚が開花したように見える。2020シーズンはボデ/グリムトでリーグ戦25試合に出場して27得点を決めた。
「その通り、ノルウェーに移籍してから、僕のキャリアは良い方向へ進んでいきました」とユンカーは話す。
「(19歳で)プロデビューする前は面白いようにゴールを決めていたけど、プロになってからは何年も苦戦していました。洗礼と言うんですかね。
そして年齢を重ねていくうちに、自分が成長するには、当時の居心地の良い環境を抜け出す必要があると感じるようになりました。家族や親友たちのもとを離れ、フットボールだけではなく、生活のすべてを自分ひとりで賄う環境に。すると、否応なしに自分と向き合うことになり、自分自身をよく理解できるようになったんです。
僕にとって、あの選択は大正解でした。成長のために、ぬるま湯から脱する──ほかの選手にも、勧めたいですね」
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