鹿島に「常勝軍団」の面影なし。
例年ならJ2降格もある不振の要因は (2ページ目)
ところが、結果は湘南の勝利。永木が続ける。
「(相手に引かれた)そのなかで崩していかないといけなかったが、アタッキングサードでのミスが、特に後半は多く、そこからカウンターを受けた。(相手にやられたというより)自分たちのミスがまだまだ多い」
鹿島は連勝を逃したばかりか、今季まだ勝利がなかった湘南に初の勝ち点3を献上。しかも、この試合がJ1デビュー戦だった湘南の19歳、GK谷晃生に無失点勝利までプレゼントしてしまった。
鹿島のザーゴ監督が「ひとつのチームが守備をし、ひとつのチームが攻撃をする。予想どおりに試合は展開した」と振り返ったように、試合は概ね鹿島がボールを保持するなかで進んだ。要するに、主に攻めていたのは鹿島のほうだった。
特に後半は、湘南ゴールに迫る機会を増やし、59分にはFW上田綺世がゴールポストを叩く惜しいシュートも放っている。
「先制点のチャンスも、追加点のチャンスも、いっぱいあった」
そう語るザーゴ監督の言葉を、強がりとばかりは言い切れない。
66分に湘南最初のCKから先制されたあとは、さらに攻撃姿勢を強め、得点につながっても不思議はないチャンスを何度か作っている。
結果がすべてと言ってしまえばそれまでだが、内容的に言えば、それほど悪い試合ではなかった。
加えて言えば、チームが苦境にあえいでいるにも関わらず、指揮官が目先の結果にこだわり、焦る様子がないのも好感が持てた。
リーグ戦再開後の第2節から直近の第6節まで、5試合すべてに先発出場したのは、GKクォン・スンテとCBのふたり、犬飼智也、町田浩樹だけだ。今季初勝利を挙げた前節からも「いいときは変えるな」の言にとらわれず、先発メンバー4人が入れ替えられた。
「メンバー選考を変えることで、チームとしての選択肢が増える」(ザーゴ監督)という考え方は、長いリーグ戦を、まして今季のような超過密日程を戦い抜くうえでは不可欠なものだろう。
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