2020.07.07

不屈のFWワシントン。プロ復帰は
無理と言われても心臓疾患を克服した

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 当時のチームの会長マリオ・セルソ・ペトライアはこう語る。

「プレーを見てたった3秒で、彼は完全に復活したと私は確信した。彼は私にこう言った。『会長、私はかつて両足を骨折して二度とサッカーはできないと言われたが、復活した。糖尿病が見つかった時も同じことを言われたが、ピッチに戻って来た。今はまた心臓だ。しかし必ずまたハイレベルな選手に戻ります』と。

 この強さと闘志は、他の選手にはないものだった。私は彼を信じた」

 2004年2月、彼は再びピッチに戻ってきた。14カ月のブランクなど微塵も感じさせず、復帰たった52分でゴールを決めた。試合を中継していたテレビのアナウンサーは感極まって「ゴールのために生まれた男だ!」と絶叫した。

 ここからワシントンは止まらなくなった。2月15日には2ゴールを決め、その翌週も2ゴール、翌々週も2ゴールを決め、チームは連勝。結局パラナ州リーグで10ゴールを決め、ワシントンは得点王争いの2位につけた。ワシントンは以前のレベルにまで復活した、いや、モチベーションが高い分、それ以上だったかもしれない。