大久保嘉人、38歳。気持ちは落ちない。「走れる、うん、大丈夫」

  • 佐野美樹●取材・文 text by Sano Miki
  • photo by ©TOKYO VERDY

東京ヴェルディ・大久保嘉人インタビュー@後編

 自他ともに認める勝気なストライカーである大久保嘉人が、自ら進んで中盤のポジションでプレーすることを選んだのは、スペインから帰国したあと、ヴィッセル神戸に所属していた時のことだ。

 当時監督だった松田浩に自分から提案したのには、訳があった。

「東京ヴェルディ・大久保嘉人インタビュー@前編」はこちら>>>

大久保嘉人に東京ヴェルディへ移籍を決めた理由を聞いた大久保嘉人に東京ヴェルディへ移籍を決めた理由を聞いた「最初はFWでプレーしていたんですけど、前にいてもボールが全然出て来なくて。だったら、僕が下がってボールを出せば、チームがうまく回るなと思ったんです」

 そこには、絶対に自分がFWでありたいという執着心はなかったという。

「もちろんFWとして点は獲りたい。だけど、これでチームがうまくいくなら、という思いのほうが強かったですね」

 スペインに行く前の自分では考えられない、と笑い、大久保はさらにこう続けた。

「そこをやれって言われても、すぐできる選手になりたいって思っていたから。いろいろなポジションができることが自分のよさだと思っていたし、そういう選手になりたい」

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