J1連覇の川崎フロンターレが示す「日本らしいサッカー」の方向性 (3ページ目)

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro photo by Getty Images

 韓国勢は試合終了まであきらめないうえに、日本勢のもっとも嫌がる球際での激しい当たりやパワープレーをしてくる。その韓国勢をうまくクリアできれば日本勢が優勝してきたし、逆に今年の川崎のように韓国勢に苦戦するとACL制覇は途絶えてしまう。

 川崎は今季のJリーグで自分たちと似たスタイルの名古屋やコンサドーレ札幌、ヴィッセル神戸などには違いを見せつけたが、浦和や湘南ベルマーレ、V・ファーレン長崎のように守備を固めるスタイルのチームには苦戦している。韓国勢は後者のような戦いが得意なだけに、そこへの対応も課題になるだろう。

 川崎は、日本人の長所である技術の高さをベースにした、組織力や連動性を伸ばすことを土台にしながら、"和"をもって相手を攻略するスタイルを築いている。その川崎が、ACLのタイトルを獲ることの意味は、単に日本勢4チーム目(2018年は鹿島アントラーズ)の優勝クラブになるというだけではない。私自身は、彼らのスタイルこそ、日本サッカーが目指す方向性だと信じているだけに、3年連続出場となる2019年のACLを制してもらいたいし、アジアの舞台でもJリーグと同じように"風呂桶"を掲げてくれることを願っている。

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