鎌田なきサガン鳥栖はどう戦うのか。
イタリア人指揮官が示す戦術の功罪 (4ページ目)
かつてフィッカデンティ監督が率いたFC東京の選手は、そう感じてしまったという。
正念場の指揮官にとって、今後のキーマンはFC東京から獲得したMF河野広貴になるだろう。選手登録が間に合っていないにもかかわらず、前日の戦術練習ではトップ下でスタメンに入った。鎌田の穴が埋まっていない状況で、横浜戦もトップ下なしの3トップを編成していた。技術的に違いを見せられるトップ下は戦術的に不可欠なのだろう。
ただ、新たな選手を迎えることで、指揮官はさらなるチェンジに挑むことになる。
2年目のフィッカデンティ監督は、チームのてこ入れを続けてきた。今シーズンは大量に選手を補強。この日も先発6人が新加入選手だった。
「Cambiare」
チームは絶えず、変化する必要があるのだろう。そのプロセスで、田川亨介(18歳)のような若手も台頭しつつある。ただ、変化する中で鳥栖が伝統的に持つ荒々しさやひたむきさまで消えてしまうなら――。それは迷走になりかねない。
熱気に包まれていたスタジアムを冷やすように、地面を叩く激しい雨が降り始めた。
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