FC東京・森重真人は、守備崩壊のザックジャパンを救える男か
日本代表がウルグアイに大量4点を奪われ、完敗を喫した3日後、代表の選手たちはそれぞれのクラブに戻ってJ1リーグ第21節の試合に臨んだ。
代表3選手を抱えるFC東京は、横浜F・マリノスと対戦。ホームの大声援に後押しされるも、0-2で敗れた。前半のみの出場で交代したMF高橋秀人をはじめ、代表組にとってはウルグアイ戦でのショックを払拭する試合とはならなかった。
「不完全燃焼。自分たちが何もできなかった。歯車がかみ合わないまま終わってしまった」
そう語るのはFC東京のキャプテンであり、DFの森重真人である。横浜F・マリノスに敗れはしたものの、随所に好プレイを見せた森重真人(写真左)。
自身も先のウルグアイ戦で日本代表に選出されたものの、出場機会はなし。「(代表へ行ったことで)コンディションが難しくなるのはわかっていたので、自分のプレイに集中することを考えた」というが、「前半からパスミスが多かった」と振り返り、こう語った。
「相手のカウンターにやられたというより、自分たちのミスからやられた。2失点目は自分たちの、っていうか、自分のミス」
FC東京のポポヴィッチ監督も「後半、唯一犯したミスが失点につながった」とし、カウンターのきっかけとなった森重のパスミスを名指しで指摘したように、森重の出来は決してよくなかった。
高橋の交代について問われた指揮官が「代表から帰ってきた選手がすぐにいいパフォーマンスを出せないのは、今回が初めてじゃない」と話していたが、森重にとってもまた、初めて味わう試練となった。東アジアカップを経験し、「好不調の波をなくさないと、高いレベルではできない」と話していただけに、あらためて課題を突きつけられた思いだろう。
とはいえ、左腕にキャプテンマークを巻く背番号3は、随所に能力の高さを示した。
1点のビハインドで迎えた後半、FC東京が圧倒的な攻勢に出てはいたが、森重にとっては、常に相手のカウンターには警戒しておかなければならないという難しいかじ取りに迫られた。非常に神経を使う展開だったはずだが、森重はこともなげに振り返る。
「まだ0-1だったので、リスク管理をしながら、その中で攻撃しなければいけなかった。でも、それほどカウンターでの危ない場面もなかったし、最後の失点のところ以外はうまく守れていたと思う」
相手のカウンターに備えながら、それでいて、ただ守備的になるのではなく、状況によっては自らがボールを持ち上がってビルドアップの起点にもなる。コンディションが万全でない中でも、森重らしさは見せていた。
こうした特徴は、日本代表でも発揮されるべきはずのものだ。
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