【U-19】3大会連続の屈辱。急速に進んでいる日本サッカーの地盤沈下 (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 赤木真二●撮影 photo by Akagi Shinji

 この20年ほどの間に起きた日本サッカーの急成長は、短期的にA代表だけを強化するのではなく、ユース世代に力を入れ、若い選手を育成することで成し遂げられたものだ。それが目に見える形で表れたのが、1995年から7大会続いたU-20W杯出場であり、現在、「史上最強」と評されるまでになったA代表である。

 裏を返せば、ユース世代の強化をおろそかにすることは、未来のA代表を弱体化させることに直結する。そして今、現実はそうなりかねない状況にあると理解すべきだ。

 と同時に、今大会は、アジアのレベルが確実に上がってきていることを実感させられた大会でもあった。結果的に大差のつく試合もあったが、どのグループも総じて力が接近しており、かつてのように、いくつかの強豪が悠々とグループステージを全勝で突破する、などということは起こりえなくなっている。それは、日本や韓国も例外ではない。

 つまりは相対的に見て、日本の地盤沈下は予想以上のスピードで進んでいる。

 A代表はW杯最終予選で楽々とグループ首位を走り、多くの選手がヨーロッパのクラブへと移籍する。日本サッカーは、まるで我が世の春を謳歌しているようにも見える。

 だが、すでにその土台は揺らぎ始めているのではないか。そんなことを思い知らされた、U-19代表の惨敗だった。

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