【名波浩の視点】頂点も見えた! 今季のレッズはなぜ躍進できたのか

  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

F・マリノス戦で決勝ゴールを決めた槙野(右)と歓喜する原口(右)。F・マリノス戦で決勝ゴールを決めた槙野(右)と歓喜する原口(右)。 リーグ3位と好調の浦和レッズが、第25節ではアウェーで横浜F・マリノスと対戦。早々に先制ゴールを奪われるものの、2-1と逆転勝利を飾った。

 立ち上がりの失点は、レッズのゲームへの入り方の悪さが顕著に出た。F・マリノスがほぼマンマークで、あそこまで守備的にやってくるとは思っていなかったのだろうが、ボールへのアプローチに行けず、DFラインは下がってしまい、セカンドボールはことごとく拾われた。何をやってもうまくいかない状況の中で、サイドから崩されてゴールを奪われた。

 その後も主導権を握っていたのは、F・マリノスだった。左サイドから齋藤学やドゥトラがレッズのゴールを脅かした。それでもレッズは、その苦しい時間帯をよく凌いだ。

 その中心にいたのが、阿部勇樹だ。先制されたあともそうだが、相手にリズムを奪われながらも、よく声を出して、自分たちの流れを築こうとしていた。「落ち着いて」とか「このままでいい」とか抽象的なことではなく、「ちゃんとボールに行け」とか「もっとコンパクトに保て」と、具体的な指示を出してチームを統率していた。そんな中心選手としての自覚を持った阿部の存在は非常に大きく、今季のレッズが飛躍的に伸びた要因になっていると思う。

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