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サッカー日本代表の新戦力が機能しないのはなぜか ベネズエラ戦で露呈した「メカニズムの欠如」 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Shigeki Sugiyama

 森保サッカーには確固たる枠組みがない。選手が代わっても再現できる普遍的な戦術がない。8年以上も同じ監督が指揮を執っているのにメカニズムが見えない。

 オートマチックさの欠如。これが大きな原因だと筆者は見る。選手個々のフィーリングに頼った、出たとこ勝負のサッカー。それこそが、森保サッカーの攻撃面の正体であると、筆者がこれまで述べてきたが、その思いはこのベネズエラ戦でさらに強まることになった。

 後半、日本は、時間が経つにつれてベストメンバー度を上げると、パス回しに独自性が増した。悪く言えば、無意味なショートパス、非建設的なパスワークだ。それを喜ぶファンがいることも確かだが、よくも悪くも日本式だ。ここまで濃くて、厚かましくて、ちょこざいなパスを交換し合うサッカーは珍しい。スペインでさえ見かけない。

 なぜかといえば、サイドならともかく、真ん中で行なうのはリスキーだからだ。発展性がないのに危なっかしいプレー。一見、うまそうに見えるが非生産的である。

 対照的なのは三角形を意識した展開力に富むパスワークだが、それはベネズエラのほうができていた。基本に忠実なパスワークだった。三角形を形成することは選手たちにとって約束事でもあるので、誰が入っても実践しやすいのだ。ベネズエラ(前戦のウルグアイもそうだった)が、指導者の存在が見えるパスワークであるのに対し、日本のパスワークは選手の自己流だ。新人や若手にはとりわけ難易度の高い設定になっている。

 つまり、攻撃に定石がない。ベネズエラ戦は森保サッカーの弱みが、あらためて露呈した一戦でもあった。

 それにしても、だ。この試合内容で勝利して喜ぶとは......感覚の違い、ここに極まれりと言いたくなる試合だった。

著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2026年北中米大会で12回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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