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森保ジャパン「ベストメンバー主義」の代償 南野拓実、冨安健洋のケガの責任は誰がとるのか

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

連載第19回
杉山茂樹の「看過できない」

 最大12人の日本人選手が出場する可能性がある2024-25シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)。リーグフェーズ第6節を終了した時点で、ケガの冨安健洋(アーセナル)、伊藤洋輝(バイエルン)を除く10人が欧州最高峰のピッチに立ち、貴重な経験を積んでいる。

 以下はその出場時間(アディショナルタイムを含まず)と出場試合数を多い順に並べたものだ。セルティック所属の3人を除くと、南野、守田の安定ぶりが目立つ。

1)前田大然(セルティック/492分/6試合)
2)旗手怜央(セルティック/435分/6試合)
3)古橋亨梧(セルティック/392分/6試合)
4)南野拓実(モナコ/313分/5試合)
5)守田英正(スポルティング/308分/5試合)
6)荻原拓也(ディナモ・ザグレブ/225分/3試合)
7)上田綺世(フェイエノールト/174分/3試合)
8)チェイス・アンリ(シュツットガルト/136分/4試合)
9)川村拓磨(ザルツブルク/9分/1試合)
10)遠藤航(リバプール/1分/2試合)

 南野、守田は9月にスタートしたW杯アジア3次予選でも先発要員だ。南野は6試合すべてで先発を飾り、計379分間出場。守田も5試合に先発、計446分間出場している。

 ちなみにキャプテンの遠藤が3次予選に出場した時間は431分(5試合)。1分しかないCL出場時間と勘案すれば、守田、南野との差が目立つ。ちなみにセルティックの3人の予選出場数は前田が105分(4試合)、旗手が11分(1試合)、古橋が13分(1試合)なので、日本代表で稼働率の高い選手、言い換えれば日本代表で一番忙しい選手は守田、南野になる。

 だが予想どおり、両者にはその代償を払う日が訪れた。守田、南野ともにケガで戦線離脱を余儀なくされたのだ。

 守田は12月10日(現地時間)に行なわれたCLリーグフェーズ第6節クラブ・ブルージュ戦を欠場。スポルティングは、格下と見られ勝利がほしかった相手に手痛い敗戦を喫することになった。

 南野はCLリーグフェーズ第5節ベンフィカ戦を欠場。続く第6節アーセナル戦も、出場したのは後半からだった。モナコは連敗。特にベンフィカ戦の敗戦は痛かった。

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著者プロフィール

  • 杉山茂樹

    杉山茂樹 (すぎやましげき)

    スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

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