パリオリンピックで金も夢ではない 斉藤光毅と三戸舜介のU23日本代表オランダコンビはまさに「あうんの呼吸」

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko

「あうんの呼吸」とは、まさにこのこと。

 現地7月24日、開会式より前に行なわれたパリオリンピック・グループリーグ初戦のパラグアイ戦(結果は5-0で日本が勝利)。三戸舜介が決めたこの日の2点目は、所属するスパルタ・ロッテルダムのチームメイト、斉藤光毅のアシストによるものだった。

三戸舜介(左)と斉藤光毅(右)の相性はバツグンだ photo by Watanabe Koji三戸舜介(左)と斉藤光毅(右)の相性はバツグンだ photo by Watanabe Kojiこの記事に関連する写真を見る

 63分、三戸は左サイドで斉藤のドリブルからピンポイントの折り返しを受けると、公式戦で「自身初めて」と言うヘディングでゴールを決めた。

「光毅くんの仕掛け、ドリブルの最中から目が合っていたので、あとは『ここにボールきたらいいな』っていうところに、ほんとにいいボールが来て......」(三戸)

 斉藤を讃えて、こう続けた。

「こういう舞台で、ふたりの関係で点が獲れたのはうれしいです。また、スパルタの名前も上がってくれたらと思います」

 三戸は昨年末、アルビレックス新潟から完全移籍したオランダのクラブ名を出して、得点を喜んだ。

 三戸はこの日、貴重な先制点も決めている。2得点に絡む活躍で、この日の勝利に大いに貢献した。

 一方で斉藤も、勝利の立役者のひとりだ。この三戸の2点目に加え、山本理仁が決めた3点目もアシストしている。

「僕がアシストしてとか、三戸ちゃんがアシストして得点、というシーンがなかったので」(斉藤)

 スパルタ・ロッテルダムでチームメイトとなった今シーズン後半戦。ふたりが絡んだ形での得点はエールディビジでは生み出せなかった、しかしこの大一番で、良好な関係性を見せつけた。

 パリオリンピックに向けて発表された五輪代表最終メンバー18人のうち、アジア予選に参加できなかったのは、この斉藤と三戸のふたりだけだった。斉藤は「チームに打診したんだけどダメでした」と、予選参加を希望していたことを明かしている。

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著者プロフィール

  • 了戒美子

    了戒美子 (りょうかい・よしこ)

    1975年生まれ、埼玉県出身。2001年サッカー取材を開始し、サッカーW杯は南アフリカ大会から、夏季五輪は北京大会から現地取材。現在はドイツを拠点に、日本人選手を中心に欧州サッカーを取材中。著書『内田篤人 悲痛と希望の3144日』(講談社)。

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