藤田譲瑠チマがシント・トロイデンで実感 日本とベルギーのサッカーの違いとは
U-23日本代表MF/シント・トロイデン
藤田譲瑠チマ・インタビュー前編
シント・トロイデンのサポーターに「あなたのお気に入りの選手は誰ですか?」と尋ねると、おおむね3人の選手の名前が挙がる。
クラブ生え抜きの20歳、CBマッテ・スメッツ。
チーム得点王、FWアブバカリ・コイタ。
日本五輪代表MF、藤田譲瑠チマ。
昨年末からの活躍によって、藤田はレギュラーに大きく近づいた。もちろん、その座は安泰ではない。それでも、中盤の底で果敢にデュエルに挑み、攻守に労をいとわぬ姿勢は、ファンの共感を呼んでいる。
ファンのひとりが言う。
「リンブルフ州の人々は、仕事に熱心なことで知られています。藤田の激しく、最後まで手を抜かずにハードワークするプレースタイルは、この地の気風と合うのです。彼は能力が高く、おそらくあっという間にビッグクラブにステップアップするでしょうね」
藤田のプレーを見ていると、ポテンシャルの高さと同時に、真摯な姿勢でサッカーと取り組んでいることがスタンドにも伝わってくる。
地元ファンから人気を集める彼に会うため、シント・トロイデンのクラブハウスを訪ねた。
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昨年夏にベルギーにやってきた藤田譲瑠チマ photo by AFLOこの記事に関連する写真を見る── 2月16日で22歳になりました。これまでのプロサッカー選手生活を振り返って、特別なシーズンはありましたか?
「特に自分のなかで『このシーズンが特別』というのはないです。プロ1年目(東京ヴェルディ)はコロナで中断期間があり、2年目に初めて移籍して徳島でプレーした時はJ2に降格してしまいました。そしてプロ3年目、横浜F・マリノスの1年目でJ1リーグ優勝を経験。そしてプロ5年目の昨年夏、ベルギーへ。どれも非常にいい経験になっています」
── 移籍して約半年。ベルギーでの生活はいかがですか?
「ベルギーのサッカーには、だいぶ慣れてきました。今は少し試合に出られているので、そこで自分の立場を確立できたらいいなとは思うんですが、現状はそんなに簡単でないですね」
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著者プロフィール
中田 徹 (なかた・とおる)
スポーツライター。 神奈川県出身。オランダを拠点に、2002年よりサッカーを主に取材。オランダスポーツジャーナリストクラブ会員。