インスタグラムのフォロワーが90万 なぜ母国で大人気の女子サッカー選手はWEリーグへ来たのか (3ページ目)

  • 長谷川雅治●取材・文 text by Hasegawa Masaharu
  • 説田浩之●撮影 photo by Setsuda Hiroyuki

【プレー環境のないなか海外へ】

 ザーラは男子チームでプレーを続けていたが、FIFAの規定で男子と一緒にプレーできなくなる14歳からは、インドネシアには女子のクラブもリーグもなく、その後18歳までプレー環境を失い、自主練習とファンフットボールに明け暮れた。

「18歳の時にインドネシアがアジア大会2018のホストカントリーになりました。ホストになって、女子代表チームが編成されて、そこで代表チームに入りました。アジア大会の時にもまだ女子のクラブもリーグもなかったので、代表チームの活動だけです。それでアジア大会に出て、モルディブに6-0で勝つなど少し成績を残すことができたので、インドネシアサッカー連盟も注目してくれて、代表チームの選手をそのまま残して練習を行なうことになりました。

 翌年、初めて女子リーグ(10チーム)を行なうことになりました。リーグの開幕にあたって、小さい頃からの憧れだったクラブのペルシジャ・ジャカルタに入ることになりました。ただ、リーグは3カ月の期間限定のもので、さらに私は途中で代表チームの合宿に呼ばれたので、1つのタームしか参加できなくて、その後クラブの練習にも試合にも参加できていません」

 翌2020年、世界的なパンデミックが起こってからはリーグも行なわれることがなく、再びザーラの継続的なプレー環境がなくなってしまった。

「女子サッカーの見通しが明確でなかったので、このままでは成長できないと思って、2022年にイングランドに行くことにしました。ディビジョン5のサウスシールズFCでプレーして、ほかにはリバプールのU-21にも練習参加させてもらいました。

 その後インドネシアに戻ってビザの手続きをしているところで、エージェントからセレッソ大阪が私に興味を持っているよって話が来て。イングランドではリーグ戦も続いていたのですが、私はより自分を高められるプレー環境を欲していたので、いろいろと考えたうえで2週間、セレッソの練習に行くことにしました」

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