サッカー日本代表は「かたちだけにとらわれている」 コロンビア戦ではビルドアップができず、何も得られない時間帯も過ごしていた

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

【新しい戦術のチャレンジは簡単ではない】

 1-1のドローで終わったウルグアイ戦から中3日、森保ジャパンがコロンビアと対戦。日本は開始早々に三笘薫がヘッドで先制ゴールを決めたものの、後半61分に逆転弾を許してしまい、最終的に1-2で敗戦を喫した。

日本代表はコロンビア戦でも新しい戦術にチャレンジした日本代表はコロンビア戦でも新しい戦術にチャレンジしたこの記事に関連する写真を見る これで3月の代表ウィーク2試合は未勝利に終わったわけだが、現在は先を見据えた新たなチーム作りが始まったばかり。必要以上に結果を気にする必要はないが、残念ながらコロンビア戦の内容も芳しいものではなかった。

 試合後、森保一監督は「新しい戦術のチャレンジと新しい選手の融合は簡単ではない」と話していたが、今回の2試合で浮上した課題は、まさにそのコメントに集約されていた。

 この試合を振り返る時にポイントとして抑えておくべきは、「新しい戦術のチャレンジ」の部分。つまり、ウルグアイ戦で披露したビルドアップにおける数的優位性とサイドバックのポジショニングが、その象徴になる。

 そこで今回の試合で注目したいのは、ウルグアイ戦で露呈した問題点の修正が見られたかどうかと、同じ戦術的な狙いのなかで、異なる選手がプレーした場合にどのような変化が起きていたのか、という点だ。

 この試合の日本は、ウルグアイ戦からスタメン4人を入れ替え、GKシュミット・ダニエル、DFライン4人は右から菅原由勢、板倉滉、伊藤洋輝、バングーナガンデ佳史扶、ダブルボランチに守田英正と鎌田大地、2列目は伊東純也、西村拓真、三笘薫、そして1トップには町野修斗を配置。布陣は、ウルグアイ戦と同じ4-2-3-1だった。

 対するコロンビアの布陣は4-1-4-1(4-3-3)で、日本の中盤の三角形に対し、逆三角形のかたちでガッチリはまる布陣を採用。4日前の韓国戦では19番(ラファエル・サントス・ボレ)を1トップに配置する4-2-3-1を基本としていたことを考えると、8番(ホルヘ・カラスカル)を"ファルソ・ヌエベ(偽9番)"的に起用した今回の布陣は、日本対策のひとつと考えられる。

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