2021.09.26

ノジマステラ神奈川相模原で注目の松原有沙。
チームを「W杯で優勝したなでしこジャパンのようにしていきたい」

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Aflo

「大学の時のキャプテン(4年時)は、高校の時とは全然、役割が違いました。高校の時は、監督の言うことをみんな、必死に頑張って聞こうみたいな感じだったんですけど、大学はみんな大人になって、それぞれ考え方が異なってくるじゃないですか。しかも早稲田に来る選手は、高校時代、みんな試合に出ていた選手ばかり。試合にかかわれないと気持ちが落ちてしまい、チームとして方向がひとつに向かない時期があって......そこがすごく難しかったです」

 そんな時、松原の支えになったのが、高校時代の恩師の言葉だった。

「高校の時、監督から『洞察力を持ったほうがいい』と言われていたので、高校時代から、周囲を見るということを意識していました。そのおかげで大学も周囲を見て、元気がない選手には声をかけたり、話をしたり、そういう行動を心がけていました。あと、自分たちの代は自由だったので、自分以外の仲間も試合に出られない選手の話を聞いたり、気持ちを上げてくれて、最終的には一緒に頑張ろうという雰囲気になりました」

 その結果、松原がキャプテン時は、インカレ優勝を果たし、2年時からの3連覇を達成した。

 現チームでも松原は、積極的に選手にかかわっている。練習中は声を出し、練習後、自主練に励む選手にはひと声かけている。キャプテンの周囲を見る目とちょっとした心遣いがチームのムードを変えていく。

 プロ化され、チームの環境は大きく変わった。

 松原は、アマチュア時代は、ノジマとの正社員契約で午前中は、ノジマアリオ橋本店でレジやフロアに立つなどの仕事をこなし、午後から練習をしていた。

「アマチュアの時は、仕事が午前中で、午後からサッカーの練習です。練習後は、特別なことをしていなくて、ちょっと自主練をして、明日仕事があるからもう寝ようって感じでした(笑)。でも、今は、プロになったので午前中の仕事がなくなり、その時間に全体練習をしています。午後は何もないので、どう時間を使うかいろいろ考えていますが、自分のレベルアップのために使いたいと思っています」

 個人練習は重要だが、体を休めることも大切なことのひとつ。ゆっくりできる時は映画やテレビ、ネットで動画を見たり、料理をして作り置きをしている。

「今は韓国ドラマのドクターズにハマっています(笑)」

 そう言って日焼けした表情をほころばせる。

 練習が午前中になり、人工芝の照り返しが強いせいか、ノジマステラの選手は健康的に日焼けをしている。日焼け止めを塗っている選手もいるそうだが、松原は「そのうち白くなるんで」と、あまり気にしていない。

 そんな松原のピッチにおける存在感は増すばかりだ。