森保Jの注目は香川真司。ミステリアスなのは31歳ベテランの選出だ

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shinji photo by VI Images/AFLO

 コロンビア戦(3月22日)、ボリビア戦(3月26日)を戦う23人は、アジアカップを戦ったメンバーとどんな関係性があるのか。代わり映えしないメンバーが選ばれたらどうしようと心配したが、それは杞憂に終わった。アジアカップ決勝でスタメンを飾った11人中、今回も選ばれた選手は4人。チーム全体としても9人にとどまった。

 変わらなければならない理由はさまざまあるが、一番は時間的な余裕があることだ。カタールW杯本大会が開催されるのは2022年11月。通常のW杯より約半年遅い。また、本大会出場枠も現行の32から48に増加することが濃厚と言われ、それにともなってアジア枠も8.5枠程度に拡大される見込みだという。ロシアW杯とカタールW杯の間は4年ではなく4年半。通常より時間的並びに精神的に余裕がある。慌てる必要は何もない。畑はじっくり耕される必要がある。

 ところが、アジアカップでの森保采配には余裕は感じられなかった。スタメンとサブをハッキリと分け、メンバー交代も著しく遅かった。その結果、チームは「出る人」と「出ない人」に大きく2分され、出場時間に大きな差が生まれた。畑が十分耕されることはなかった。結果的に余裕の無さを露呈させてしまった。

代表招集はロシアW杯以来となる香川真司(ベシクタシュ)代表招集はロシアW杯以来となる香川真司(ベシクタシュ) しかし、今回選出されたメンバーの中で、アジアカップで出ずっぱりだったのは堂安律(フローニンゲン)、南野拓実(ザルツブルク)、柴崎岳(ヘタフェ)、冨安健洋(シント・トロイデン)の4人。権田修一(ポルティモネンセ)、吉田麻也(サウサンプトン)、酒井宏樹(マルセイユ)、長友佑都(ガラタサライ)、遠藤航(シント・トロイデン)、大迫勇也(ブレーメン)、原口元気(ハノーファー)は外れることになった。

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