U-19代表は攻守の切り替えが強み。
タレント集団に脇の甘さはない
アジアU-19選手権グループリーグ第2戦。日本はタイに3-1で勝利した。
北朝鮮に5-2で派手に打ち勝った初戦と比べると、スコアのうえでは少々地味な結果になったものの、U-19日本代表の実力を示すという点においては、むしろ初戦以上に価値ある試合だったのではないだろうか。
キレキレのドリブル以外でもプレーが光っていた安部裕葵 北朝鮮との初戦が、選手それぞれの高い個人能力が発揮された試合だったとすれば、タイとの第2戦は、このチームが「現代サッカーにおいて不可欠な要素」をしっかりと備えていることを示した試合。すなわち、U-19日本代表が個人能力だけに頼った、脇の甘いチームでないことを証明する試合となった。
足元の技術に優れているタイは、一度リズムに乗らせてしまうと、細かくパスをつないで攻撃を組み立てることができる。日本はこれに対し、高い位置からのプレスで応戦。タイの武器を封じ、試合序盤から主導権を握った。
右サイドバックとして、出足のいいインターセプトを連発したDF石原広教(湘南ベルマーレ)が語る。
「今まで3バックのチームとはあまり対戦したことがなかったと思うが、それでも前から奪ってカウンターというシーンを結構作れました。サイドハーフにどっち(のパスコース)を切らせるのかをチーム全体で共有できていたし、DFラインでも声をかけ合って、ここは(インターセプトを狙って前へ)行こうとか、ここは一回待とうとか、使い分けることができたのもよかった」
とはいえ、プレスがハマり、ショートカウンターを繰り出せたとして、それがすべてチャンスにつながるわけではない。重要なのは、その攻撃が止められた後の対応である。
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