【なでしこ】近賀ゆかり「W杯連覇の鍵はズバリ距離感!」

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

近賀ゆかりインタビュー(2)「なでしこ編」

 海外移籍で自身の新たな可能性を感じた近賀ゆかり。移籍直後の3月にアルガルベカップを戦った後、なでしこジャパンとしての活動がなかった彼女が、約7か月ぶりにカナダ遠征()でなでしこジャパンに合流した。サッカーの母国でもまれたシーズンを経て触れた"なでしこ"。W杯本大会までの半年となった今、近賀が考える"なでしこジャパン連覇達成のカギ"は何なのだろうか。
※2014年10月25日、28日にカナダチームと対戦し、2連勝している。

2015年6月のW杯カナダ大会に向けてあと半年、何をすべきかを語った近賀ゆかり2015年6月のW杯カナダ大会に向けてあと半年、何をすべきかを語った近賀ゆかり――昨年3月のアルガルベカップのときはアーセナル移籍直後でした。1シーズンを経て10月のカナダ遠征のときには、自分の中にどんな変化がありましたか?

近賀(以下、近賀)アーセナルではスピード勝負や、1-1で仕掛けてくる人が多かったから、そういう面での対応は上がったと感じます。慣れた訳じゃないけど、タイプを細かく分けられるようになった。今までは、速いかテクニックかだけだった選択肢が、速い中でもタイプがあるというのが分かって、その特長を掴むのも早くなった。

 日本ではカバーがいたけど、海外では速い選手にはがされないようにふたりで奪うとか、そういう動きができないから、テクニックがある選手なのか、タテに突破したいタイプなのか、スピードを使うけど切り返すタイプなのか、ひとりで完結させなければいけないので、すごく気をつけるようになったと思います。

――ヨーロッパ組も含めてフルメンバーでの戦いは久しぶりでしたが、いかがでした?

近賀 いろんな意味で、相手によって対応できる力が前よりついてきていると思いました。カナダ遠征のときは1試合目と2試合目でカナダチームの戦い方というか、スイッチの入れ方が違った。私自身は、2試合目は出てないんですけど、スイッチが入ってきてるなって感じました。同点にされてもギリギリのところで粘り勝つっていうのは、前よりじっくり相手を見られるようになってきたからかなって思います。でも、本当にカナダ戦はやっていてめちゃくちゃ楽しかったです!

――みんなそんな感じでしたね。試したいこととか、やりたいことがたくさんあるんだろうな、という感じがありました。

近賀 本当にそんな感じです!やりたいことがいっぱいあった。練習の中でもそうだったし、「今できたよね」って思う瞬間もありました。特に印象に残っているのは、カナダ遠征第1戦の1点目。アンチ(安藤梢)が左から出したパスを、シノ(大野忍)がスルーして、ナガ(大儀見優季)が決めたゴール。ああいう流れの中からのゴールの種類をもっと増やしたい。日本っぽい点の取り方でしたし、相手が嫌がる得点だった。(自分たちの中で)基準が少しできた気がします。

 海外のチームがどう積み上げてくるかわからないですけど、勝つためにこれは最低限できないといけないとか、これは強みになるとか、それがカナダで少しつかめた気がする。アルガルベでは最後ドイツにやられて、自分の中では嫌な終わり方だったから、相手がドイツでも、アメリカでも、こういう攻撃ができたらいいなって思います。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る