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宿敵・韓国とのベスト8決戦へ。鈴木武蔵にエースの自覚 (3ページ目)

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi photo by AFLO

 準々決勝の相手は、今大会の開催国でもあるライバル韓国に決まった。その大一番を前にして、鈴木武蔵が自信をつけているだろうことは、こんなコメントからもうかがえた。

「アウェーで韓国と戦うのはなかなか経験できないことだし、本当に楽しみです。自分たちが今までやってきたことを出せれば、得点のチャンスはあると思います」

 チケットはすでに完売。満員の観客で埋まるアウェーの韓国戦を「楽しみ」だと語るプラスのメンタリティは、「あまり起用してほしくなかった」と言った8ヶ月前と比べ、あまりに対照的だ。

「韓国は足もとに厳しく来ると思うので、それを逆手に取って、チェックの動きで(相手を)剥がして背後を取るのが重要になる。裏にボールが出たら、五分五分の状態でも負ける気はしないので、自分のストロングポイントを生かして勝利に結びつけたいと思っています」

 クウェートとの初戦を終えたあと、U-17日本代表でもチームメイトだったDFの岩波拓也が、ミックスゾーンでこんなことを言っていた。

「どんな形でもFWにはゴールが大事だし、武蔵が2点獲れたことでチームとしても勢いが出る。今のチームを見れば、あいつがエースだと思うので、そういう選手が点を獲るのはすごく大事なことだと思います」

 後日、そのコメントを鈴木武蔵に伝えると、彼は少し照れながらこう言った。

「いや、まだエースじゃないと思っているので。でも、チームを優勝に導けたら、エースになれるかなって思います」

 芽生えつつあるエースの自覚、掴みつつあるストライカーとしての自信。それを本物にするため、鈴木武蔵は28日の韓国戦に臨む――。

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