2試合6得点。ザックの目に止まった新戦力は誰だ? (3ページ目)

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

「勝ってうれしいですけど、ゴールが欲しかったので、歯がゆいですね。次こそは得点したいと思います。サコ(大迫)とはスタメンだと分かったときから話し合っていて、試合中もずっと声を掛け合いながら、良い距離でプレイしようと話していたんです。2点目のときも、サコが近くにいるのを感じていた。あれは2トップで奪った得点だと思います。ただ、なんとか結果を出したい気持ちが強かったんで、得点というところが……。リラックスして臨めたし、一方でこれがラストチャンスだから、しっかり勝負しようという思いだったんですが、あとはゴールだけ……」

 ヘディングで際どいシュートを2本放ち、最後まで前線でプレスを掛け続け、オーストラリアDFに対して競り合いでも引けを取らなかった。足りないのはゴールだけ――。そんな豊田のプレイに、ザッケローニ監督は珍しく個人名を挙げてエールを送った。

「豊田が得点できなかったのが、個人的には残念だ。あれだけやってくれたのだから、1点ぐらい取れても良かったのにと思う。それでも前線のキープ、ポストプレイ、ヘディングの落とし、ゴールに向かっていくプレイなど、本当に良くやってくれた」

 それぞれが反省の言葉を口にしながらも、しっかりと持ち味を発揮したのは事実。途中出場の工藤は、「自分のポジションでは、(齋藤)学が結果を残した。競争意識は高まっています。最後の一戦、どんな形でも貢献したい」と語ったが、そうした思いは柿谷や高萩洋次郎、原口元気も同じだろう。

 とはいえ、彼らの本当のライバルは、前田遼一、ハーフナー・マイク、岡崎慎司、清武弘嗣、本田圭佑、中村憲剛、乾貴士、香川真司……といった、今、ここにいない選手たちだ。

 彼らへの挑戦権を得るためのサバイバルは、韓国戦を残すのみだ。

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