2試合6得点。ザックの目に止まった新戦力は誰だ?

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 初戦の中国戦で柿谷曜一朗と工藤壮人がともに1ゴール1アシストと活躍すれば、オーストラリア戦では大迫勇也が2ゴール、齋藤学が1ゴール、豊田陽平が2アシストをマークした。山田大記も左サイドを中心にチャンスを演出。いずれもザックジャパンのスタイルを体現しながら持ち味を発揮して、「周りを生かしながら、自分が生かされる」という好サイクルを作り上げている。

ゴールこそ奪えなかったものの、1トップで幅の広いプレイを披露した豊田陽平ゴールこそ奪えなかったものの、1トップで幅の広いプレイを披露した豊田陽平 オーストラリア戦で最初に目を引いたのは、山田と齋藤の両サイドハーフだった。ともに、インサイドに少し入って縦パスを受け、サイドバックを走らせるビルドアップの基本をしっかりと身に付けていた。また、サイドバックと連携を図りながら、中央に切れ込んだり、互いが左右のポジションを変えたりして、オーストラリアDFを困惑させていたのも印象的。25分には、センターバックの千葉和彦からの縦パスを受けた齋藤が、巧みなステップワークでバイタルエリアを左から右へと切り裂き、最後は鮮やかなループ気味のシュートを決めている。一方、この一連の崩しにも絡んだ山田は、37分、ピンポイントのクロスで豊田のヘディングシュートをお膳立て。これはGKにキャッチされたものの、前半は特にワンタッチのプレイでリズムを変えて、アタッキングサードでのプレイ機会も多かった。

 ところが、試合後のふたりは、決して満足そうな表情ではなかった。齋藤が自身のプレイについて振り返る。

「右サイドで起点になるように言われていたので、相手サイドバックとの1対1に勝とうと思って試合に入りました。最初の1本目で良いドリブルができたから、ちょっと相手を圧倒しようと思って......。ゴールのシーンは右サイドからじゃなかったですけど、バイタルエリアでうまく前を向けたので良かったと思います。でも、それ以外はあまり良いシーンがなかったので、もっと良さを出したかった。それは反省です」

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