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独立リーグ・茨城アストロプラネッツ流「GM論」 色川冬馬が力説する人材育成と組織づくりの新常識

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke

茨城アストロプラネッツGMが語る選手育成とチーム運営(後編)

 1995年に千葉ロッテマリーンズで広岡達朗が日本で初めて「GM」に就任して以来、球界では多くの者が同職を務めてきた。だが、その役割は明確に定義されていない。球団本部長や編成部長とは何が違うのだろうか。

「日本ではGMのあり方が確立されていないですよね。わかりやすく言えば、チーム側に対する一切の責任を負っているのがGMだと思います」

 そう話すのは、BCリーグの茨城アストロプラネッツで2020年秋から同職を務める色川冬馬GMだ。単に、チームを編成する責任者ではないという。

茨城アストロプラネッツの色川冬馬GM photo by Nakajima Daisuke茨城アストロプラネッツの色川冬馬GM photo by Nakajima Daisukeこの記事に関連する写真を見る

【選手たちに必ず伝えること】

「選手たちの成長プロセスや素行の問題など、フィールド内外のどちらに対してもGMが責任を負っています。チームの監督やコーチは、会社(球団)に対するロイヤリティを持っているか。会社のスタッフが『選手たちを応援したい』と思ってくれる関係性をしっかりつくれているか。この両者の関係は、球団というひとつの大きな組織が動いていくうえでものすごく重要になります」

 プロ野球の球団は、ビジネスオペレーションとベースボールオペレーションの二輪で回っている。色川GMは両者のつなぎ役として組織を成熟させてきたことが、NPBのドラフト会議で5年続けて指名選手を送り出すなどの成果につながっていると自負する。

「どの組織でも、前提やルールといった基準がないとうまく回りません。GMの僕とコーチ陣、そしてビジネスチームのなかにちゃんと基礎があり、そこに選手たちが入ってくる。そうした環境で選手たちはフィジカルのトレーニング、試合で磨く技術、マインドセットやメンタルを鍛えていく。組織あってこそ、僕ら人間の成長につながっていくわけです」

 茨城アストロプラネッツでは、入団してきた選手たちに必ず伝えている話がある。球団は社会のなかでどのように成り立ち、経営を行なっているのかということだ。色川GMが続ける。

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