宮本慎也が選ぶ歴代&現役No.1遊撃手は?「プロレベルに達している選手の3倍ぐらい守備範囲は広かった」 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Sankei Visual

現役No.1遊撃手は?

 現役選手なら、今宮健太(ソフトバンク)はスーパーな守備をしますし、肩も強い。その今宮と同じく5度のゴールデングラブ賞に輝いている坂本勇人(巨人)も名遊撃手のひとりだと思います。

 坂本は手足が長いので派手そうに見えますが、ものすごく堅実なプレーをする選手です。僕の現役時代、一緒に自主トレをしていろいろな話をしましたが、とくにキャッチボールについてはうるさく言いました。最初は理解できなかったそうなのですが、1年半後ぐらいに「やっと意味がわかって、できるようになりました」と言ってきました。守備の安定感は球界屈指だと思います。

 坂本に関しては、プレーそのものもすごいですが、ずっとショートのレギュラーとしてやっていることが驚きです。僕の統計上、ショートのポジションで試合に出続けられるのは長くても干支のひと回り(12年)なのですが、坂本は15年もやっている。体の強さも大きな才能ですよね。

 ただ、現役でNo.1は誰かと聞かれたら、今は源田壮亮(西武)です。守備範囲はもちろんですが、打球に対する入り方がすばらしい。送球も強肩には見えないですけど、強いボールを投げられますし、ミスも少ない。

 以前、源田のグラブを見させてもらったのですが、僕が使っていたのとはまったく違っていて、彼は親指部分で引っかけて捕るんです。だからシングルハンドでキャッチすることが多い。私のように右手を添えて両手で捕るタイプではないですが、トータル的に見て、現役では源田がNo.1遊撃手だと思います。

 遊撃手に限らずですが、いい内野手というのは凡打をきちんとアウトにする。そのためには、やはりスローイングが大事で、この部分に不安があるとしっかりアウトにできません。そして遊撃手なら、周りが見えるということですね。ポジショニング、一歩目の動きだし、声かけのタイミング。これらを兼ね備えているショートが名遊撃手だと、私は思っています。

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