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ベイ史上最高の投手になったクルーン。
活躍の裏にあった大魔神との絆 (2ページ目)

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • photo by Kyodo News

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 この自慢の快速球はクルーンを語るうえで必要不可欠なものではあるが、それよりも重要とおぼしき出来事に、一時代を築いた"大魔神"佐々木主浩の薫陶を受け、新たなクローザーとして君臨したことが挙げられる。

 2004年にメジャーからベイスターズに復帰した佐々木は、以前と変わらずクローザーを任されていたが、次第にリリーフに失敗する機会が多くなり、2005年8月に地元・仙台での巨人戦を最後に現役引退した。

 その時、涙を浮かべてマウンドを降りる佐々木に真っ先に駆け寄ったのが、クルーンだった。

「僕にとってササキさんは、メジャーの成績を見てもわかるように憧れのピッチャーだった。アメリカ時代に知り合って、いろんな話をしてかわいがってもらった。日本に来ることになって、同じチームにササキさんがいるのはすごく心強かったよ。日本の野球や文化についてアドバイスしてくれたり、オフには一緒に食事やショッピングに連れて行ってくれたり、僕にとってはお兄さんのような存在だった。

 だから、ササキさんの引退試合は悲しかった。投げるたびに鳥肌が立ったし、マウンドからベンチに戻ってくる時は涙が出そうだった。僕は与えられた仕事をまっとうしようと、より強く思ったよ」

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