2020.05.19

ヤクルトで「蛇直球」を投げた男。
ジェームズ・ボンドの曲で勝利を確信した

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Kyodo News

日本プロ野球「我が心の最良助っ人」
第2回 林昌勇:イム・チャンヨン(ヤクルト)

【クールなたたずまいが印象的な韓国人助っ人】

 世代を超えた歴代OBたちが集結した、昨年7月の「スワローズドリームゲーム」。久々に「背番号12」が神宮球場に帰ってきた。

 その顔には「43歳」という年相応のしわが刻まれ、往時と比較すればさすがに年輪を刻んではいたものの、かつての痩身はそのままだった。在籍年数5年の「外国人助っ人」でありながら、球団創立50周年の節目のイベントに招かれるだけの実績と存在感を、彼は誇っていた。

2008年から5年間、ヤクルトで128セーブを挙げたイム・チャンヨン イム・チャンヨンがヤクルトに在籍していたのは、2008(平成20)年から2012年までの5年間。この間、チームは一度も優勝しなかったが、彼は不動のクローザーとして5シーズンで128セーブを記録している。ヤクルト最終年となった2012年は、故障のために9試合の登板(0セーブ)に終わっているため、実質4年間で130近いセーブを記録したことになる。238試合に登板して、防御率は2.09という好成績。実に安定したクローザーだったのだ。

 神宮球場に彼の登場曲である『ジェームズ・ボンドのテーマ』が流れると、場内は一気にヒートアップした。彼の登場は、勝利がすぐそこまで近づいていることを実感させてくれる瞬間だった。高津臣吾という不世出のクローザー以降、ヤクルトにぽっかりと空いていた「守護神」という大きな穴を、何年にもわたって埋めてくれたのがイム・チャンヨンだった。