2017.06.30

【イップスの深層】
解雇寸前の岩本勉をエースに改造した
2人のコーチ

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kyodo News

 2005年秋に戦力外通告を受け、他球団でプレーする道を模索したものの、結局は「日本ハム以外のユニフォームを着るイメージを描けなかった」と、翌年1月に引退を決意。岩本勉の16年間にわたるプロ野球選手生活は終わりを告げた。

 それは、イップスという謎の病と闘い続け、運命に抗(あらが)い続けた16年間でもあった。岩本は言う。

「イップスを治すために、本当に催眠術をかけられる人がおったら、僕はプロ野球選手としての全財産を使ってでもやってもらいたいと思っていました。それくらい、イップスというのは最大の悩みでしたね」

(つづく)

※「イップス」とは
野球における「イップス」とは、主に投げる動作について使われる言葉。症状は個人差があるが、もともとボールをコントロールできていたプレーヤーが、自分の思うように投げられなくなってしまうことを指す。症状が悪化すると、投球動作そのものが変質してしまうケースもある。もともとはゴルフ競技で使われていた言葉だったが、今やイップスの存在は野球や他スポーツでも市民権を得た感がある。

連載第1回目から読む>>>

プロ野球記事一覧>>

関連記事