掛布二軍監督が語る、2017年のタイガース
「鳴尾浜からの超変革」

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Kyodo News

── ほかにもいますか?

「板山(祐太郎)も楽しみな選手です。体の強さ、継続力、絶対負けないという気持ちの強さ......。いいものを持っています」

── 江越大賀選手もスケール感を感じさせてくれる選手ですが、掛布さんはどう見られていますか。

「彼の場合はとにかくボールの見極めだけです。"飛ばす""投げる""走る"に関しては球界トップクラスのものを持っています。そこに選球眼や野球に対する考え方が加われば......。今季は糸井(嘉男)選手も加入しますし、勝負をかけないといけないシーズンになるでしょうね。結婚もしましたし、責任を追うことで変わる期待もあります」

── 掛布さんが言われたように、FAで糸井選手を獲得しました。「若手育成の流れに逆行するのでは?」との声もあります。

「僕はまったく思わないですね。壁が大きければ大きいほど若手のレベルも上がるわけですから、楽しみでしかありません」

── 掛布さんはドラフト6位で習志野高校から入団し、1年目から一軍に定着し、本塁打も3本放ちました。2年目にはサードのレギュラーを獲得し、3年目には打率.325、27本塁打の好成績を残し、チームの中心選手になりました。掛布さん自身、大きな壁に挑むことで力をつけられたのですか。

「僕はドラフト1位の佐野(仙好)さんとサードのポジションを争いました。『負けたくない』という気持ちはもちろんありましたが、すぐに自分との戦いに変わっていきました。18、19歳では相手を見る余裕がなく、それよりも早く自分がレベルアップして『このメンバーの方々に迷惑をかけないようにしないと』という気持ちでしたね。自分のレベルを上げるために、1日が28時間、29時間というくらいのつもりで練習していました」

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