ソフトバンク・東浜巨が誓う「2年目の逆襲」 (3ページ目)

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • 繁昌良司●写真 photo by Hanjo Ryoji

 帰国したのは12月21日。年末年始はあっという間に終わり、現在は地元・沖縄で、大隣に弟子入りする形で自主トレを行なっている。開幕までの調整も、昨年の反省を踏まえた上で計画を練っている。

「昨年は練習の大切さを改めて感じました。プロは1年間の長いシーズンを戦わなければいけないという思いで、勝手に投げ込みの量も加減しないといけないと思っていました。僕は投げ込んで肩を作っていくタイプ。1月の自主トレでも、投げる日は100球以上投げ込んで、2月のキャンプでは制限を設けずに投げたい」

 今季のソフトバンクの先発陣は、エースの攝津正はローテーションが確定的だが、それ以外は白紙の状態。東浜にとって、これはチャンス……と思いきや、実は、競争は昨季以上に大激戦なのだ。超大型補強を敢行し、ジェイソン・スタンリッジ(前阪神)とブライアン・ウルフ(前日本ハム)の外国人勢に、FAで中田賢一(前中日)を獲得。ここに寺原隼人、帆足和幸、大隣憲司の実績組や、岩嵜翔、武田翔太といった力のある若手が加わり、残りの先発枠を争わなければならない。ちなみに、昨季ブレイクした千賀滉大も先発志望を口にするなど、激戦必至である。

「競争が厳しくなるのは分かっています。でも、僕は倍返しと言わず、何倍も返していかないといけない。年間を通してローテーションを守り、2ケタ勝利します」

 実は、昨年の投球回数が28回3分の2だったため、新人王資格(前年まで30回未満)がまだ残っている。

「そうなんですか? でも、もう新人じゃない。いらないです」

 その瞬間、眼光が鋭くなった。ドラ1右腕のプライドはまだ熱いままである。


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