大谷翔平が来季「二刀流」復活へ。エンゼルス首脳陣がプランを明かす (2ページ目)

  • 白鳥純一●取材・文 text by Shiratori Junichi
  • photo by AFLO

 シーズン中の欠場が決まり、手術が無事に成功した今、最大の注目は来シーズンの「二刀流」復活だ。大谷は6月26日に投球練習を再開し、およそ週2回ペースで、これまで14回にわたって行なってきた。

 大谷が手術前に最後の投球練習を行なったのは9月1日。本拠地エンゼルススタジアムでのレッドソックスとの試合前のことで、この日は捕手を座らせての29球を含め、合計40球を投げ込んだ。

 以後、9月9日のインディアンス戦の試合前にも、レフトスタンド付近でおよそ70メートル間のキャッチボールを行ない、順調な回復ぶりを見せていた。それだけに、今回の手術については驚きの声が多い。

 今回の左膝手術で、「二刀流」復活への道は"一時休止"となった。だが、現役時代はキャッチャーとして活躍し、ゴールドグラブ賞を3回受賞したブラッド・オースマス監督の頭脳には、「投手」大谷翔平の復活に向けた緻密なシナリオがあるものと思われる。

 大谷が手術を決断する前日の取材で、オースマス監督は「打者をバッターボックスに立たせた練習はこれから。今後は、投球とイニング間の休憩を交えながら、より実践を想定した練習をしていく」と語っていた。

 加えてビリー・エプラーGMも、電話会見で投手と打者、それぞれの復帰プランについてこう明かした。

 まず打撃については、「(翔平は)今は患部を固定した状態。2~3週間後に検査を受けて、問題がなければリハビリを開始する予定だ。全治8~12週間の期間を過ぎれば、間もなくバットを振れるようになると思う。トミー・ジョン手術のリハビリを終えることが優先になるだろうが、12月、もしくは来年1月あたりで打撃ができるようになると考えている」と言及。

 続いて投手については、「手術が成功すれば、2~3週間くらいで投球プログラムを再開できる。だいたい10週間前後を目処にして、ブルペンに復帰させることを想定しており、12月の初旬には、投球プログラムを終えたいと思っている。順調に進めば、春にキャンプインすることになるだろう。ただ、プログラム終了のタイミングで、あらためて見通しを示し、2020年シーズンに向けた準備について考えていく予定だ」とコメントした。

 今シーズンは、9月16日時点で防御率5.08と、投手陣のやりくりに苦しんだエンゼルス。来シーズンのチーム躍進のカギにもなりそうな、大谷の「二刀流」。復活への動向から目が離せない。

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