【夏の甲子園2025】現地取材記者5人が選ぶ大会ベストナイン後編 世代ナンバーワン野手から奇跡を起こしたあの選手まで (3ページ目)
木製バットを使用し、豪快なスイングを披露した花巻東の2年生スラッガー・赤間史弥 photo by Matsuhashi Ryukiこの記事に関連する写真を見る菊地高弘氏(ライター)
投手/石山愛輝(中越)
捕手/猪股琉冴(京都国際)
一塁手/菰田陽生(山梨学院)
二塁手/奥一真(尽誠学園)
三塁手/田西称(小松大谷)
遊撃手/今野琉成(仙台育英)
外野手/赤間史弥(花巻東)
外野手/木本琉惺(東洋大姫路)
外野手/松永海斗(日大三)
今大会で実際に記事を書かせてもらった選手から選出した。9人とも、プレーや言葉に心を動かされた選手である。
投手の石山愛輝(中越)は、「どうやって投げればいいのかわからない」という絶望的な時期を乗り越え、甲子園で生まれ変わった姿を見せてくれた。ほぼぶっつけ本番で夏を迎えながら、最速148キロとレベルアップしたのは奇跡と言っていい。
捕手の猪股琉冴(京都国際)は「ネットでは『健大が勝つ』と言われていたので、勝ててよかった」と語ったように、健大高崎戦でのリードが冴え渡った。
一塁の菰田陽生(山梨学院)は「8割くらいの力感で投げた」と投手としての進境を感じさせつつ、打者としても新たな可能性を感じさせたことから、あえて一塁手で選出した。
二塁の奥一真(尽誠学園)はベンチに疑似スタートを見せつけ、「いける」と猛アピールし、京都国際戦で3盗塁をマーク。盗塁のバリエーションの豊富さに舌を巻いた。
三塁の田西称(小松大谷)は不発のまま甲子園を去ったものの、今年の高校生でもっとも打球の飛距離に驚かされた選手。「本物になってから勝負したい」と大学に進む心意気も、あっぱれだった。
遊撃の今野琉成(仙台育英)は背番号15ながら、シートノックでもっともうならされた選手。今大会は安打を記録したものの、悔しい敗戦を経験した。「日本一激しいチーム内競争」の仙台育英で揉まれ、また甲子園に戻ってきてほしい。
赤間史弥(花巻東)は2年生ながら木製バットを振りこなし、同期の古城大翔とともに存在感を発揮。「スイングを強くして、パワーアップしたところを見せたい」という言葉どおりの頼もしい姿だった。
木本琉惺(東洋大姫路)は、春のセンバツではアルプススタンドで応援していた「ベンチ外の星」。「誰にも相手にされないようなどん底から這い上がってきた」という下剋上物語は見事だった。
松永海斗(日大三)は、「ほかの人よりは高い」というランダウンプレーでの生存術を披露してくれた。その高度な走塁術は、一流校の選手がどんな思考でプレーしているのか、勉強になった。
今年もさまざまな人生模様を感じながら、取材をさせていただいた。取材に協力してくださったみなさま、記事を読んでくださったみなさまに感謝したい。ありがとうございました。
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