山﨑武司が見た11人のドラフト候補。「将来の筒香、山田は誰だ?」 (10ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

岡下大将(福島ホープス/184cm76kg/右投右打/遊撃手/25歳)

独立リーグ(BCリーグ)で活躍しているそうですね。岩村明憲(元ヤクルトほか)が監督として指導しているだけあって、打撃の基礎的なところは押さえていると思います。ただ、右足の使い方をもう少し研究してほしいなと。右ヒザが外に割れてしまうので、ボールに対して軸足で粘ってグ~ッと待つことができない。体格もパワーもあるのでホームランは打てるかもしれないけど、このままでは打率を残せないかなと思います。体重移動を覚えれば、もっと打てるようになりますよ。

 以上、今年のドラフト候補のなかから目についた、11人の打者について語らせてもらいました。なかには厳しい指摘もさせてもらいましたが、僕だって高校からプロに入った当時は、腕力だけで技術なんかありませんでした。年をとって体力が落ちていくなか、どうやったら打てるか考えていくうちに「体重移動で打つ」ことを覚えました。ベテランになってからは、よく「力を入れて振ってないですよね?」と若い選手に聞かれましたが、実際は結構力を入れていたんですよ(笑)。軸足でためて、ステップする。このイメージを大切にしていました。

 今は指導者の質も上がっているし、情報も入りやすいので、アマチュアのレベルは確実に上がっています。それでも、プロで長距離砲として活躍できる選手はほんのひと握り。「力だけでは限界がある」ということに早く気づいて、1人でも多くプロでスラッガーとして大成してくれることを祈っています。

 もし、今回の11人のなかから僕がドラフト指名するとしたら、細川くん(明秀学園日立高)ですね。粗削りでもいい。まず「振れる」ということが、一番大切です。こういう選手が今のドラゴンズにも必要だと思います!

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