【自転車】TeamUKYO始動。2016年を戦う若き日本人選手たち

  • 西村章●構成・文 text by Nishimura Akira  photo by Sportiva

遥かなるツール・ド・フランス ~片山右京とTeamUKYOの挑戦~
【連載・第86回】

 2012年にTeamUKYOサイクリングチームを結成して5年目――。チームを率いる片山右京が2016年シーズンの新体制発表を行なった。発表会の壇上に登場したのは、6人の若き日本人ライダーたち。昨年のJプロツアーで個人総合優勝を果たした畑中勇介を筆頭に、U-23カテゴリーの全日本チャンピオンや、シクロクロスの全日本ジュニア王者、さらに今年の春で高校を卒業する18歳など、例年とはまたひと味違ったメンツが顔を揃えた。5年目のシーズン、若手を多く加えたTeamUKYOの意図とは――。

(前回コラムはこちら)

左から、今井勇太、住吉宏太、畑中勇介、平井栄一、中井路雅、中井唯晶左から、今井勇太、住吉宏太、畑中勇介、平井栄一、中井路雅、中井唯晶 2016年シーズンのTeamUKYOが始動した――。

 チームを率いる片山右京は、2月14日に千葉のAEONモール幕張新都心で今年の体制発表会を行ない、その数日後に選手たちは「ツール・ド・フィリピン」(UCIカテゴリー[2.2])に向けて出国した。

 今季のTeamUKYOの陣容は、選手たちの顔ぶれに若干の変化がみられる。チームキャプテンは、昨シーズンのJプロツアーで個人総合優勝を達成し、チームタイトルの獲得にも大きく貢献した畑中勇介。昨年から残留となった平井栄一と住吉宏太は、ともに今年がTeamUKYO3年目のシーズンを迎える。

 さらに、昨年のU-23で全日本チャンピオンを獲得した中井路雅(なかい・みちまさ)と、2013年シクロクロス(※)全日本ジュニアチャンピオンの弟・中井唯晶(なかい・ただあき)が加入する。兄の路雅は21歳、弟の唯晶は19歳で、ともに京都産業大学に通う現役大学生だ。ともにUCI登録をしており、海外のUCIレース等には参加するが、国内プロレースシリーズのJプロツアーにはしばらくの間、参戦する予定はないという。

※シクロクロス=未舗装の悪路(オフロード)で行なわれる自転車競技のひとつ。障害物が設置されたオフロードの短いコースを決められた時間内で何周できるかを競うレース。

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プロフィール

  • 片山右京

    片山右京 (かたやま・うきょう)

    1963年5月29日生まれ、神奈川県相模原市出身。1983年にFJ1600シリーズでレースデビューを果たし、1985年には全日本F3にステップアップ。1991年に全日本F3000シリーズチャンピオンとなる。その実績が認められて1992年、ラルースチームから日本人3人目のF1レギュラードライバーとして参戦。1993年にはティレルに移籍し、1994年の開幕戦ブラジルGPで5位に入賞して初ポイントを獲得。F1では1997年まで活動し、その後、ル・マン24時間耐久レースなどに参戦。一方、登山は幼いころから勤しんでおり、F1引退後はライフワークとして活動。キリマンジャロなど世界の名だたる山を登頂している。自転車はロードレースの選手として参加し始め、現在は自身の運営する「TeamUKYO」でチーム監督を務めている。

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