2015.03.30

【自転車】片山右京が開幕戦を分析「理想的な勝ち方」

  • 西村章●構成・文 text by Nishimura Akira  photo by Sportiva

遥かなるツール・ド・フランス ~片山右京とTeamUKYOの挑戦~
【連載・第50回】

 3月15日に行なわれたJプロツアー開幕戦・宇都宮クリテリウムを制したTeamUKYO。ライバル勢とのデッドヒートの中で、チームを率いる片山右京は開幕戦の勝利をどう見たのか――。今後の戦い方について、リーダーのビジョンを聞いた。

(前回コラムはこちら)

新体制発表会でファンに向けて壮大な夢を語る片山右京 Jプロツアー開幕戦(宇都宮クリテリウム)を勝利したことにより、TeamUKYOは課題のひとつをクリアしたといえそうだ。このレースを振り返り、チーム監督の片山右京は「狙いどおりの展開で勝つことができてよかった」と話す。

「個人とチームの双方で年間総合優勝を達成する――という目的を考えたとき、クリテリウムはうちの弱点だったんです。たしかに、去年のいわきクリテリウムでも窪木(一茂)が勝ってくれたけれど、あのときはチームの総合力で勝ったというより、窪木個人の力で掴み取った勝利でした。突出した個人の力で勝利を重ねていくような勝ち方だと、チームそのものの力を増強することにはつながらない。

 でも、今回の宇都宮クリテリウムでは、エントリーした選手全員がきっちりと仕事をしてくれた。たとえば、ある選手が序盤に逃げて、ついてくる後ろのライバルたちに脚を使わせる。しばらくして集団に吸収されると、今度は即座に別の選手がカウンターアタックで逃げを仕掛ける。一方で、他の選手たちは集団をコントロールしながらライバルの逃げを成功させないようにし、ペースをマネージメントする。終盤にはトレインを組んで2段・3段・4段構えで後ろの選手を発射できる体制をつくり、最後はぎりぎりまでパブロ(・ウルタスン)が引っぱって、そこから飛び出した窪木が最後の数百メートルをスプリントする……。各人の果たすべき仕事を全員がしっかりと理解し、レースの駆け引きの中でそれを実現できていたからこそ、あの結果につながりました」