【新車のツボ125】スズキ・バレーノ、
和製ガイシャ、ここにきわまる
スズキの新しいコンパクトカーであるバレーノには、気になる話題が2つある。
ひとつが、日本で売られるバレーノもインドで生産されること。日本ブランドの輸入車は今やめずらしくもないが、インド産は少なくとも日本ブランド車では史上初だ。
もうひとつが、バレーノはスイフトの次期型と基本骨格を共用する兄弟車であっても、スイフトではないことだ。
まわりくどい表現だが、ごくオーソドックスなハッチバック車という点では、バレーノもスイフトも同じ。しかも、前記のとおりバレーノは次期スイフトと技術的にも酷似している可能性が高い。となると、ちょっとクルマに詳しい人ほど「けっして規模の大きくないスズキが、なんで似たようなクルマを2台も出すのよ?」という疑問をいだく。
バレーノは一応、「スイフトより室内がちょっと広くて実用的」なのがツボらしい。全幅もこのクラスの日本車にあるまじき(!)3ナンバーサイズで、いかにも「日本市場は二の次」の感がアリアリ(笑)。少なくとも現時点では、日本人には存在意義がわかりにくい。
1 / 4
著者プロフィール
佐野弘宗 (さの・ひろむね)
1968年生まれ。新潟県出身。自動車評論家。上智大学を卒業後、㈱ネコ・パブリッシングに入社。『Car MAGAZINE』編集部を経て、フリーに。現在、『Car MAGAZINE』『モーターファン別冊』『ENGINE』『週刊プレイボーイ』『web CG』など、専門誌・一般紙・WEBを問わず幅広く活躍中。http://monkey-pro.com/