2020年の五輪を目指す注目の10代。体操・白井健三選手と水泳・今井月選手

 2020年の五輪・パラリンピックの開催都市が、日本時間の9月8日午前にIOC総会で決定します。今回、その2020年の五輪で活躍が期待されるふたりの10代の選手を取材してきました。

 そのひとりが、9月30日から行なわれる体操の世界選手権(ベルギー)の日本代表に入った神奈川県立岸根高校の白井健三選手です。

photo by Yamamoto Raitaphoto by Yamamoto Raita 8月26日に17歳になったばかりの白井選手は、同級生から「本当に体操をやっているの?」と言われるほど体が小さくて細身。その白井選手が、6月30日の全日本体操種目別選手権のゆかでF難度の"後方宙返り4回捻り"を決め、15・900点を獲得して1位となったのです。

コーチをしている父・白井勝晃さんによれば「他の選手は最後の技は3回捻りくらい。最後に4回捻りを入れている今の構成は世界一。完璧にできたら、(ほかの選手に)これ以上の得点は取れないだろう」という演技で、技の難しさを示すDスコアも7・30の高得点。

 両親がともに体操の先生で自宅にジムもあり、小さな頃からトランポリンなどで遊んでいた白井選手。捻りや回転が得意な内村航平選手が白井選手の演技を見て「捻り過ぎて気持ち悪い(笑)」と言うほど技のレベルが高いのです。

 先日の合宿では、内村選手が白井選手に捻りのタイミングを質問してきたそうで、白井選手は「感覚的なことなので、言葉で説明してもなかなかわかってもらえないことが多いのですが、内村さんはすぐ理解してくれました」とうれしそうに話していました。

 白井選手は卓越した「空間把握能力」の持ち主で、このくらい捻って、このくらい回転すれば大丈夫という感覚をつかむのが速く、猫のように空中で体の動きを修正できる能力や、「模倣能力」も高い。ある時、体操クラブの女子選手の練習を見て、次の練習が始まるまでにその動きを全て完全にマスターしていたので、周囲の選手たちがビックリしたそうです。

 また、「リ・ジョンソン」(後方抱え込み2回宙返り3回捻り)は、テレビで見た内村選手のスローモーション映像を何回か見ただけで、翌日には出来たといいますから、ものすごい才能です。

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