ガールズケイリンフェスティバル開催間近 GⅠ覇者・石井貴子が地元開催に特別な思いで臨む「松戸はクセが強い」 (2ページ目)
――GⅠ開催を制したことによって、初めてこの時点でガールズグランプリ2024出場が決まりました。今までにはない感覚はありますか。
私たちは1年を1シーズンと捉えていて、前シーズン、2023年はGⅠで走る権利すら私は獲得することができませんでした。昨年からGⅠができて、レースは見ていましたが、GⅠを軸にした活動計画はまったく立てていなかったんですよね。いざGⅠで優勝を手にしてみると、「6月なのにガールズグランプリ出場が決まりましたね。ガールズケイリンも変わりましたね」という俯瞰した感覚を持っています。そう思えるのも、「その日できることを精一杯やりなさい」という取り組み方に変わったからだと思います。
年末のガールズグランプリ2024への出場が決まっている石井貴子 photo by Yasuda Kenjiこの記事に関連する写真を見る――いつも自分を俯瞰したところから見ている感覚があるんですか。
そうなってきたんだと思います。今は、すごく気持ちを入れたりとか、やたらと自信を持ったりすることはなくなりました。日ごろの開催を走っていれば、ちゃんとデータは取れますので、成功したり失敗したりを繰り返して、全部自分のなかに貯めて理解して解釈しています。「それを次に生かしていきなさい」と自分に課しているので、俯瞰して見ているイメージ。本人が走っているけど、本人目線じゃないかもしれないです(笑)
――その感覚を持ったのはいつ頃ですか。
2回目のケガから復帰してからです。2021年5月に初めて大きなケガ(右肋骨多発骨折及び血気胸)をしましたが、そこから復帰した時には、ケガする前の評価基準、物差しを持っていて、以前の自分の能力と単純比較していました。それがものすごく苦しかったんです。つらくてつらくて走るのが怖かった。苦しいと思いながらも走っていて、それでも優勝はできていたんです。
でも2回目のケガ、2023年4月のことですが、落車をして左鎖骨、肩甲骨、肋骨3本が折れて、同時に心もポッキリ折れてしまいました。
その時に考え方、評価基準、物差しを変えました。しっかり準備をしてしっかり考えて「今日できることを精一杯やりなさい」「ベストを尽くしなさい」と自分に指示を出す。すごく単純なんです。その日のコンディション、メンバー、車番によって、その日の精一杯の基準が変わってくるし、変えていいことにしていますから、すごくやりやすくなりました。
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