ブレイクダンサーISSINがアディダスと契約 ウェア、シューズの着用で「気分を高ぶらせることができている」

  • text by Sportiva
  • 軍記ひろし●写真 photo by Gunki Hiroshi

アディダスの認知拡大のために「まずはダンスを頑張りたい」と語るISSINアディダスの認知拡大のために「まずはダンスを頑張りたい」と語るISSIN

 今年3月にアディダス ジャパンと契約を結んだB-BOYのISSIN(イッシン)。ブレイクダンスとのつながりも深いアディダスとの契約で、ISSINの可能性はどう広がっていくのだろうか。本人にアディダスへの思いと今後の活動について聞いてみた。

――このたびアディダスと契約しましたが、サポートを受けることについての感想を教えてください。

 アディダスはブレイキンとの関係が深く歴史もすごくあるブランドです。シューズを履いているブレイクダンサーもたくさんいるので、自分もアディダスからサポートを受けることになりすごくうれしいです。このような契約を結んでくれたので、自分もアディダスのカッコよさや、歴史を知ってもらえるように、まずはダンスを頑張ろうかなと思っています。

――具体的にはどのようなサポートを受ける予定なのでしょうか。

 アディダスファミリーの一員として、アディダスのシューズやウェアを着用して活動することになりました。ブレイクダンスはスタイルも重要なので、ブレイクダンサーはみんなバトルで何を着るかでテンションを上げたりするのですが、自分はアディダス製品を着用することで、自分の気分を高ぶらせています。

――アディダスは今年から「YOU GOT THIS(大丈夫、いける。)」をメッセージに、アスリートがプレッシャーから解放され、純粋にスポーツに向き合うことで広がる可能性をテーマとした新グローバルブランドキャンペーンを展開しています。ISSIN選手にとって、プレッシャーを感じる瞬間はどんなシーンですか。

 プレッシャーを感じるのは、このオリンピックイヤーになってからすごく多いです。勝ち負けのことを気にし過ぎてしまったせいで、1度あまりよくないダンスをしてしまいました。全然楽しそうなダンスじゃなくて、これではダメだなと感じましたね。

――そのプレッシャーから解放されたのはどんな気持ちがあったからですか。

 もともと緊張するほうではなくて、小さい頃からバトルが大好きで、自分の出番が待ちきれないようなタイプでした。オリンピックイヤーになって結果がより重視されてきてプレッシャーを感じますが、そんな時には原点に返って、対戦相手やジャッジに、ISSINというスタイル、ISSINというものを全部ぶつけてやろうという気持ち、チャレンジャーという立場で臨むようにしたら、よくなりました。

 勝たないといけないという意識より、失敗してもやってみようという意識を持ったほうが、自分なりのいいダンスができます。それから、相手やジャッジに1回(ムーブで)ぶちかますことができれば何とかなるという気持ちを持ったことで、心が楽になりました。これはまさに「YOU GOT THIS(大丈夫、いける。)」に近い感覚だと思います。

――アディダスとともに今後やってみたいことはありますか。

 自分は、今までに誰もやったことのないことを、常に考えたり研究したりしているので、具体的な構想はまだありませんが、見ている人が「何これ!」ってびっくりするようなことを考えて一緒にやっていけたらいいですね。

【Profile】
ISSIN(いっしん/菱川一心)
2005年5月1日生まれ、岡山県出身。8歳でブレイキンに出会い、11歳でBattle of the year Japan Under15 BATTLEで優勝。2018年Body CarnivalのJrクルー「BodyCarnival Zoo」に加入し、2022年にはRed Bull BC One World Finalに日本代表として出場。準決勝まで進出し、世界中から注目を集める。2024年2月の全日本選手権でShigekixを破り初優勝を飾る。

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