2019.07.30

露わになった日本競泳陣の課題。
女子強化と若手の発掘が急務だ

  • 松田丈志●文 text by Matsuda Takeshi
  • photo by Kyodo News

 8日間に渡って開催された競泳の世界選手権が閉幕した。

 日本は金メダル2つ、銀メダル2つ、銅メダル2つを獲得し、「金メダルを含む複数の目メダル」という当初の目標は達成した。

400mメドレーリレーに出場した(左から)大本里佳、牧野紘子、酒井夏海、青木玲緒樹

 前回大会は7つのメダルを獲得しており、数では今回を上回るが、金メダルがなかった。

 今大会は、瀬戸大也の2冠で金メダルが2つあったことで前回大会を上回る結果と言える。

 同じくオリンピック前年に行なわれた世界選手権の競泳では2015年が金3つ、銀1つ。2011年が銀4つに銅2つとなっている。

 平井伯昌コーチは、今回の結果について「選考会の結果からすればよくここまで成績を出せたのではないか」と語る。

 萩野公介、池江璃花子という男女エースの欠場もあって苦しい戦いが予想されていた今年のトビウオジャパン。4月の日本選手権、5月のジャパンオープンでも記録は決して好調とは言えなかったが、そこから考えればよく踏ん張ったと言える結果だと思う。

 ただ、今大会自己ベストを更新した選手が少なかったのが残念だった。個人種目で自己記録を更新したのは、松元克央、小日向一輝、瀬戸大也、白井璃緒、牧野紘子の5人だけだった。

 瀬戸大也は個人メドレーで2冠を達成し、さらに200mバタフライでも銀メダルを獲得。世界選手権では、日本人史上初めて個人種目3つでメダルを獲得した。400mこそ自己記録の更新はならなかったが、2種目で自己記録を更新した。

 松元克央に関しても初めてのメダル獲得だったが、しっかりと決勝で自己記録を更新する日本記録で泳ぎ、銀メダルを獲得した。

 平井コーチはこのメダルについて「チームに勢いがついた。今回は銀メダルだが、鈴木陽二コーチ(鈴木大地さんを金メダルに導いた)が指導しているということも含めて、来年の東京五輪のメダル、もしかしたら、金メダルも狙えると期待がふくらむような内容だった」と話したが、その期待感を持てる理由は、プレッシャーのかかる大事な決勝で自己記録を更新できる強さがあるからだろう。

 世界の舞台ではせめて自己記録近くで泳がなければ、そもそも戦いのステージにすら上がれない。裏を返せば、日本代表は厳しい派遣標準記録を突破してきているので、自己記録に近いタイムで泳げれば結果はついてくる、ということだ。