すべてはMGCで勝つため。神野大地が
2時間5分台で走れる体に改造中
神野プロジェクト Road to 2020(28)
3月末、47回目のレイヤートレーニングが行なわれた。
「今日はちょっとダメージがありますね」
この前の週に2回、レイヤートレーニング(※)を行なっており、少しばかり筋肉の疲労感を訴えた神野大地だが、表情は明るい。
※レイヤートレーニングとは、神野が中野ジェームズ修一と取り組んでいる3つのトレーニング種目(あとの2つは瞬発系トレーニング、コアループトレーニング)のなかのひとつで、筋持久力を高め、マラソンの"走る足をつくる"ことを目的としている。
水の入った容器を抱えながらトレーニングに励む神野大地 3月3日の東京マラソンでMGC(マラソン・グランド・チャンピオンシップ)の出場権を獲得し、それ以降はそれまでの張りつめた気持ちを解放するために時間を割いてきた。東京マラソンを終えた1週間はノーランで過ごし、その後、名古屋で行なわれたイベント出場と併せて帰省。地元で友人と会ったり、都内では普段なかなか会えない人からの誘いを受けて食事をしたり、レース前の集中した時期にはできないことを楽しんだ。この日も、夜に元ヤクルト監督だった古田敦也氏との食事があるという。
「ヤクルトファンの自分にとっては最高の夜ですよ」
神野の表情が緩む。
「さぁがんばっていくぞ!」
自ら檄を入れ、音楽をかけ、レイヤートレーニングが始まった。
今日は3山である。ABCD、EFGH、IJKの3つの山に分かれており、AからBへのトレーニングに移る際のレストは15秒(以前は20秒)。1つの山を終えて2つ目の山に移る際のレストが以前は5分だったが今回は3分といずれも短くなっている。
しかも負荷が大きくなっている。2山目のEのトレーニングは、以前は3キロのボールを前傾して抱え、ステップ台に片足を置き、上に伸びるようにジャンプしていたが、今回は4.8リットルの水の入った小型ポリ容器を抱えていた。トレーナーの中野ジェームズ修一は、「さらに重くしつつ、水が揺れるのでバランスを取らないといけない。そこでいろんな筋肉を使うことになるんです」と、この小型ポリ容器の使用目的を説明してくれた。
1 / 4