東海大、新シーズンは箱根駅伝を含めて「長距離5冠」を獲りにいく (3ページ目)

  • 佐藤 俊●文・写真 text & photo by Sato Shun

 小松は昨年6月に全日本大学駅伝の関東予選会を走り、本大会出場を決める走りを見せたが、本番の出雲、全日本と駅伝メンバーには絡めず、悔しい思いをした。箱根駅伝はエントリメンバー発表前の富津合宿に参加していたが、16名のメンバー入りはできなかった。それだけに3年生になる今シーズンに懸ける気持ちが強い。

「今年は駅伝のメンバーに絡めるようにしたいですね。そのためには春のトラックシーズンで5000mの自己ベストを更新し、13分台を出すこと。そして出雲、全日本、箱根とすべての1区を走りたいと思っています。箱根と東海の相性がよくないので、その力になれるように自分のスピードを活かしていきたいです」

 西出仁明(としあき)コーチは「自分から行く姿勢を見せてほしい」と注文をつけていたが、性格的におとなしい小松にとってはその積極性が成長のカギになる。自分が引っ張るんだという強い意識で走れば、今年はかなり伸びていきそうだ。

 西田は非常に悔しそうだった。

「いやぁー13kmまで引っ張って、19kmで抜き返したんですよ。めっちゃキツかったし、負けたくなかったんですけどねー。悔しい。まぁ、まだ力が足りなかったですね」

 競り合った梶谷は経験豊富な3年生、西田はまだ1年生で、そのハンデはある。それでも互角に張り合うところに西田の調子のよさが見て取れる。今年の箱根は残念ながら5区を走れなかったが、箱根以降は好調を維持している。その要因はいったい何なのだろうか。

「それは誰にも負けたくないからです。やっぱり箱根で5区を走れなかったのがすごく悔しくて......。箱根を走るためには關さんとかアメリカ組やチームの誰にも負けたくない。その気持ちが強いんで、集中して練習ができていますし、常に自分が先頭に立って頑張ろうという意識に変わったので、それが結果に出ているのかなと思います」

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