【箱根駅伝】駒大の勝機は「往路で青学大に先行するしかない」 (2ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi フォート・キシモト●写真 photo by PHOTO KISHIMOTO

「今回の神野くんは前回ほどではないのかなと思うので、全日本みたいに彼を焦らせる必要がある。それができれば流れはちょっと変わると思います。復路になると結局は流れ次第になる。先頭に立てば乗って走ってしまうというのが今の選手なので」

 往路の5区。前回は馬場翔太(現4年)が低体温症となって失速した。大八木監督は「準備を少し怠った面もあって失敗した。後ろから神野君が追いかけてきたので、1時間18分くらいでいかなければという焦りがあったかもしれない」と言う。だが馬場は前々回は1時間19分54秒で走っており、今回も5区の有力候補。8月の十和田湖八幡平駅伝で、上りにも対応できるところを見せた大塚祥平(3年)のどちらかが起用される見込みだ。

 重要になるのはそこに至るまでの序盤の流れだ。

「全日本の1区と2区を走った中谷圭佑(3年)と工藤有生(2年)はもちろん、他にも11月の上尾ハーフで優勝した其田健也(4年)や馬場、大塚も往路に使って勝負しないと、青学大に逃げられてしまう可能性は十分ある」(大八木監督)

 馬場は今年、1万mの自己記録を28分37秒21まで伸ばしており、平地区間を走る力は十分にある。そこで3区起用の可能性が出てくる(その場合、5区は大塚)。だが馬場がリベンジを誓って5区を志願したら、終盤に上りのある2区には、全日本でエース区間の8区を走り、ドミニク・ニャロイ(山梨学院大学)とダニエル・ムイバ・キトニー(日本大学)に次いで区間3位になった大塚を使えるようになるというわけだ。

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