2014.10.28

【体操】50年前の「ゆか金メダリスト」を今、採点すると?

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi photo by Getty Images

10月特集 東京オリンピック 1964の栄光、2020の展望(7)

 50年前の東京オリンピックで日本・男子体操チームは、ローマ大会に続く団体2連覇を果たしただけでなく、個人総合で遠藤幸雄が金、鶴見修治が銀メダルを獲得。さらに、種目別でも計6個のメダル(金3個・銀3個)を獲得し、世界中に「体操ニッポン」のイメージを強く印象づけた。

東京五輪・種目別ゆかで金メダルに輝いたフランコ・メニケリ そのころから長きに渡って、体操競技の採点方法として慣れ親しんできたのは、「10点満点」制度だった。しかし、その制度は2005年を最後に廃止され、2006年からは演技の難しさを評価するA得点と、実施の完成度を10点満点で採点するB得点(2009年からはDスコア、Eスコアと表記)の合計点で争われるようになった。

 一方、選手のレベルも年々進化を遂げ、高難度の技を取り入れることで、今では15点台や16点台という高得点を見るのも当たり前となってきた。だが、改めて体操という競技を振り返り、この50年でどうように変化していったのか、また、東京オリンピック当時の演技を、今の方式で採点したら何点ぐらいになるのか――。そんな疑問を解決すべく、日本体操協会・常務理事の遠藤幸一氏に話を聞いてみた。

「得点の変遷を語るにおいて、もちろん『技の進歩』は欠かせませんが、同時にルールや器具の変化もセットで考えないといけません。たとえば、かつてのあん馬は倒立技が禁止でしたし、跳馬も以前の馬型からテーブル型に変わったことで、技の種類が増えました。また、女子の段違い平行棒も、東京オリンピックでヒロインとなったベラ・チャスラフスカさん(当時チェコスロバキア)の時代は、2本のバーの間隔が調整できなかったものの、今では広げられるようになりました。その時々の流行(はや)りすたりによって、この50年間で体操競技の特性は変わっていったのです」

 また、50年前と現在とでは、「採点方式がまったく違う」と、遠藤氏は語る。そこでまず、体操の採点ルールがどのように変化していったのかを教えてもらった。