宇野昌磨「今はワクワクしています」。NHK杯で掴んだジャンプの手応え「もうひとつ前に進める」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

NHK杯を圧勝した宇野NHK杯を圧勝した宇野この記事に関連する写真を見る「出来のいい悪いじゃなく、どんな理由であれ、今は演技をまとめていく時期でもないのにコンビネーションを4回転+2回転にしてしまったのが悔しいですね。最初の4回転がぶれてしまって自分がどの方向にいるかわからなくなりましたが、それでも挑めば立てたと思います。映像を見てもあの着氷なら3回転を跳べたと思うし、あそこは自分の挑む気持ちがちょっと足りなかった。

 僕の試合での4回転トーループの成功率は練習に比べると低いから、今年はアイスショーでも練習でもトーループは全部コンビネーションにしてやっていたし、今季は世界のトップで戦えるようになるために、失敗を恐れないシーズンにしたいと思うだけに、成長したいからこそ、挑戦したかったなと思いました」

 その悔しさを晴らそうと臨んだ13日のフリー。SPで90点台後半を出して宇野を追う位置につけていたチャ・ジュンファン(韓国)やスケートアメリカ優勝のヴィンセント・ジョウ(アメリカ)がミスを連発して得点を伸ばせないなか、最終滑走の宇野はこれまでミスをしていた最初の4回転ループと4回転サルコウをきれいに決める滑り出しをした。

「ループは練習のなかで少しずつ確率が上がってきていたし、サルコウもこれまでは跳べなかったが3日前から跳べるようになり、会場に入っても氷の感触がよくて一番跳べるくらいのジャンプになっていた。今回は偶然ではなく、必然で跳べたと思っています」

 そのあとの4回転トーループ+3回転トーループは、「失敗してもいいと思って跳んだが、ちょっと力が入ってしまった」と、最初が少し低めのジャンプになって2回転しかつけられなかった。それでもトリプルアクセルを決めると、スローな曲調のなかでも動きに音のすべてを込めたような、宇野らしい滑りに。

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