非エリートボクサー高橋竜平、王者に完敗。それでも絞り出す希望の言葉 (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Kyodo News

「(初の世界戦に)自分でも賭けていたところがあったので、次はまだちょっと考えられない。ただ、ドヘニー選手も終わった後に僕のところに声をかけてくれて、リスペクトを示してくれた。僕のボクシングを肯定してくれた。(だとすれば)まだ次に生かせるところもあるのかな......」

 ニューヨークの大舞台は厳しい現実を突きつけられるステージになったが、その中でも高橋は最後に希望の言葉を絞り出した。漫画『はじめの一歩』に影響されてボクシングを始めたという好漢は、再び上昇していけるのか。まさにその人気漫画の主人公のように、挫折を糧にしていけるかどうか。

 完敗の後では簡単ではないが、また立ち上がり、いつか何らかの大舞台に戻ってきたとき、厳しかったニューヨークリングの記憶がきっと何らかの形で役に立つはずである。

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