【F1】角田裕毅、衝撃のF2デビュー もし優勝していれば「人生を舐めてしまっていたかもしれない」 (2ページ目)
【角田のF2昇格を説得できた理由】
── それでどうされたのですか。
「そもそも、F2にもまともに乗れないようでは、F1に乗ってもしょうがないんだから。そんな勝手な考え方で、クリスチャンに『目標はF1に乗せることだし、こんな弱小チーム(イェンツァー)でF3で勝っちゃうんだからF2だって乗れるはず。それが無理ならF1だって無理だ』って言ったんです。
すると、クリスチャンは『それも一理あるな。じゃあ、ヤマモトがヘルムート(・マルコ/レッドブル・モータースポーツアドバイザー)と話をすればいい』って言ってくれて。それで、勢いのままマルコさんのところに行って、『来年はF2にしましょう!』って言いました。
マルコさんも最初はキョトンとしていたけど、クリスチャンに言った同じことを説明しました。そのくらいの順応性がないドライバーなら、僕とマルコさんで話していた『F1の表彰台の真ん中に日の丸を掲げる』なんて無理でしょ?って。そう主張したら、マルコさんが『じゃあF2にしよう』って言ってくれたんです」
── 2020年、角田選手はF2に昇格することになりました。しかし、コロナ禍になってシーズンインが延期。7月のレッドブルリンクでようやく開幕(第1戦と第2戦の2週連続開催)になると、角田選手はそこでの第2戦でいきなりポールポジションを獲得しました。
「マルコさんと部屋で一緒に見ていて、『いきなり勝っちゃう?』と盛り上がりましたね。決勝では角田の無線が壊れていて、サインボードも見ていないからピットストップのタイミングが遅れて優勝できなくて......。あとでマルコさんにメチャクチャ怒られていました(苦笑)。
当時のレッドブルジュニアではジェハン・ダルバラ(カーリンでのチームメイト)のほうが格上だったんですけど、実際に走りを見てマルコさんやクリスチャンも、『裕毅はスピードがあるね!』って盛り上がっていた。本当にすごかったですね。
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