ボッタスF1初優勝。最速フェラーリを抑えきったメルセデスの組織力
王者メルセデスAMGに加入して4戦目、ロシアGPでバルテリ・ボッタスがF1通算81戦目にして初優勝を飾った。
ソチ・アウトドロームでの最速は、間違いなくフェラーリだった。セバスチャン・ベッテルは2015年シンガポールGP以来のポールポジションを獲得し、フェラーリとしては実に2008年フランスGP以来となるフロントロウ独占を果たしたのだから。
バルテリ・ボッタス(左)の初優勝を祝福するセバスチャン・ベッテル(右) しかし、スタートでボッタスが首位を奪い取った。2台の発進加速はほぼ同じだったが、直後にベッテルのスリップストリームに入り、空気抵抗を減らす効果を最大限に利用したボッタスが車速を伸ばしベッテルの前に出たのだ。
この背景には、ポールポジションから最初のブレーキングであるターン2までが1029.5mという極めて長い距離であり、その間の駆け引きが重要になるということと、メルセデスAMGの王者らしい緻密な分析と用意周到さがあった。
「スタート自体は悪くなかったけど、セバスチャン(・ベッテル)と比べてそんなに善し悪しの差はなかったと思う。でも、その後のスリップストリームがここのカギだからね。(スタートから)ターン2にどうアプローチするかが重要なんだ。
もしあのチャンスを逃せば、今日フェラーリを打ち負かすのは難しかったと思う。でも1月〜2月に僕らはチームとして多大な努力をスタートにつぎ込んで、僕の今までの全レースのスタートを分析してどうだったか、どんないいところがあったか、どんなミスを犯したかといったような徹底的な分析もやったんだ。そういった努力が実を結んだと言えるだろうね」(ボッタス)
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