【F1】シーズン終盤で突如噴き出たホンダの「新たなトラブル」 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

新井康久F1総責任者とフェルナンド・アロンソ新井康久F1総責任者とフェルナンド・アロンソ しかし、今回のトラブルはいずれもパワーユニット内部が物理的に壊れたものだ。周辺部品の小さな不具合ではなく、いわば、“本丸の屋台骨”が崩れたようなもので、ホンダのエンジニアたちにとっては、まさに青天の霹靂(へきれき)というべき事態だった。

 金曜のトラブルは、アメリカGP終盤のミスファイヤによって燃焼室内にダメージを負っていたことが原因ではないかと推測され、土曜のトラブルはエンジン内部のある社外製パーツの破損が原因だろうと推測されている。

 新井総責任者は厳しい表情で言う。

「今回のトラブルに関しては、今までに起きていないことが起きています。(設計自体に)弱いところがある可能性も捨て切れませんが、そのパーツのロット固有の製造品質の問題ではないかとみています。想定外のことが起きるということは、自分たちの実力がまだまだ足りていないということです」

 いまだにトラブルが出ていることについて、ホンダに対して厳しい見方をする目があることは前述したとおり。ましてやブラジルでは、これまでとは種類の異なるトラブルが起き、ホンダはさらに信頼性向上のための体制強化を迫られることになる。

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