【F1】シーズン終盤で突如噴き出たホンダの「新たなトラブル」 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「自分たちの弱点がどこにあるのか、どんなアクションを取るべきなのか、来年に向けた僕らの計画は極めて理論的で、間違っていないと思う。だから僕は、今でも希望を持っている」

 アロンソはあの“日光浴”の後でさえそう語り、一方のバトンも、「来週の火曜日にはファクトリーを訪れ、自分たちがどんな場所にいるのか、来季に向けてどうなるのか、しっかりとミーティングをするんだ」と前向きな姿勢を見せている。今季の後半戦が、来季に向けた実戦テストのような位置づけになってしまうことは、ずいぶん前からすでに受け入れているようだ。

「厳しい状況に直面している今の僕らにはどうすることもできないし、時にはこうした(日光浴)ユーモアも必要だよ」

 アロンソはそう言って、笑い飛ばした。

 しかし、ホンダにとっては笑い事ではなかった――。

 なぜならば、ブラジルで起きた2度のパワーユニットのトラブルは、これまでに起きたものとは明らかに性格の異なるものだったからだ。

 これまでのリタイアや、パワーユニット交換の原因となっていたのは、センサーやハーネス(配線)の不具合でパワーユニットが正常に作動させられない、という類(たぐい)のものだった。つまり、パワーユニット本体が物理的に壊れたわけではなかった。アメリカGPではハーネスの接触不良によるミスファイヤ、メキシコGPでは回転計センサーの故障によるMGU-Hのストップ……といったように。

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