桜花賞、オークスの勝ち馬を早くも予想! 超ハイレベルな3歳牝馬戦線で頂点に立つのは? (2ページ目)

坂本達洋記者(スポーツ報知)

◆桜花賞=チェルヴィニア
◆オークス=レガレイラ

 チェルヴィニアは素質馬がそろった新馬戦(6月4日/東京・芝1600m)こそ2着に敗れたものの、2戦目以降で見せたパフォーマンスは誰もが"大器"と認める内容でした。

 昨夏の新潟で勝ち上がった未勝利戦(8月12日/新潟・芝1800m)は、2番手できちんと折り合って6馬身差の大楽勝。好メンバーが集ったアルテミスSも好位で運んで、直線ではルメール騎手がまったく焦らずに追い出しを待ち、進路を見つけると後続を寄せつけずに鋭い伸び脚を見せて完勝。鞍上と息ぴったりの内容で、マイル戦なら折り合いの不安を感じさせないのも頼もしい限りです。

 残念ながら阪神JFは左トモの違和感が見られたため、万全を期しての出走がかなわないために回避となりましたが、力を出せる状態で出ていれば、間違いなく好勝負になっていたと言いきれます。ルメール騎手も高く素質を評価していると聞きますので、"桜の女王"に最も近い存在と言えるでしょう。

 祖母ハッピーパス、母チェッキーノと、POG(ペーパーオーナーゲーム)的にもファンの多い血統。さらに枝葉を広げるべく、その活躍を願わずにはいられません。

 チェルヴィニアと同じく、牝馬ながら3歳馬5大特別競走登録において、皐月賞とダービーにも登録しているのが、レガレイラ。ここからも、陣営が早い時期からその能力や素質の高さを評価していることがわかります。

 新馬戦(7月9日/函館・芝1800m)では、のちにGIII札幌2歳S(9月2日/札幌・芝1800m)を圧勝したセットアップ(牡3歳)を鋭い決め手で並ぶ間もなくかわして完勝。続くリステッド競走のアイビーS(10月21日/東京・芝1800m)は6頭立てでの極端なスローペースとなって、前で運んだ2頭をとらえきれませんでしたが、メンバー最速タイの上がりをマーク。そのキレ味は、優れた能力の片りんを証明するものだったと言えます。

 そして、前走のホープフルSでは牡馬相手に大外強襲で鮮やかな勝利。距離の融通が利くことに加え、2000m以上での適性の高さを存分に示しました。実際、レース後には馬主のサンデーレーシング・吉田俊介代表が「皐月賞の選択肢を探る可能性は大きいと思います」と語るなど、陣営がつかんだ手応えも相当なものだったのではないでしょうか。

 もしかしたらダービー挑戦もあるかもしれませんが、広い東京コースでの2400m戦はうってつけゆえ、オークス候補の最右翼と考えています。


小田哲也記者(スポーツニッポン)

◆桜花賞=アスコリピチェーノ
◆オークス=チェルヴィニア

 阪神JFの勝ち馬アスコリピチェーノ。2着ステレンボッシュ(牝3歳/父エピファネイア)とはクビ差でしたが、勝ち時計(1分32秒6)は阪神JFのレースレコード。着順以上の強さを感じました。

 全3戦で上がり33秒台をマークし、末脚は確か。種牡馬としては大ベテランの域に達してきたダイワメジャーですが、近年の産駒はセリフォス(牡5歳)など強烈な瞬発力を秘めた馬が多く、本馬もそのタイプといった印象です。

 また、ダイワメジャー産駒は"阪神・芝1600m"に滅法強く、阪神JFと同じ舞台の桜花賞でも勝ち負け必至でしょう。血統的に調整はしやすいと思いますし、レガレイラが参戦してこない限り、桜花賞では最有力の存在と見ています。

 チェルヴィニアは、アルテミスSで良血サフィラ以下に完勝。直線では外からかぶされて、我慢させられる場面があった分、最後は爆発的に弾けた感があります。

 阪神JFは左トモの違和感でパスしましたが、収得賞金は2000万円。体調さえ整えば、桜花賞、オークスともに出走は可能な状況です。

 血統的には、父がハービンジャーで、母チェッキーノはGIIフローラS(東京・芝2000m)1着、オークス2着ですから、距離延長は間違いなくプラス。レースごとに体を増やしているこれまでの過程といい、いい脚が使えるセールスポイントといい、"牝馬二冠"も十分に狙える良血馬。それでも適性をより考慮すれば、オークスでこそ、と見ています。

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